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2006年10月21日(土) 17時07分

生徒の悩みアンケート 校長室前に掲示板設置 いじめ察知現場も変革西日本新聞

 福岡県筑前町の三輪中学校2年男子のいじめ自殺事件を受け、九州の学校現場でいじめの発見・防止に向けた動きが広がっている。アンケートや家庭訪問を通して生徒から悩みを聞くほか、今回の事件で問われている教師の資質に関連して指導のあり方を再点検する取り組みもある。「自分の学校にはいじめがあるという前提に立った対策が不可欠」との声も聞かれ、意識改革の動きも出始めている。

 筑前町に隣接する同県朝倉市の秋月中では、事件発覚後、全校生徒に緊急アンケート。「誰と一緒の席になりたいか」などを尋ねて生徒同士の人間関係を把握する調査も実施した。いじめられている恐れのある生徒に対しては、家庭訪問をするなど個別に面談した。

 三輪中と同じ教育事務所管内にある同県久留米市の筑邦西中も、生徒の不安や悩みを把握するアンケートの後、11月から全生徒対象の個人面談を実施するという。さらに、保護者や地域住民にもいじめチェックリストを配るなどして、子どもの異変をキャッチする情報網を広く張り巡らせたい考えだ。

 長崎県佐世保市の愛宕中は事件後、校長室前の廊下に、生徒が自由に意見を書き込める模造紙の「掲示板」を設置した。

 「嫌と思ったことはきちんと自分で伝えよう」「人をなじらずに、優しい言葉で話せば分かってくれる」など、コミュニケーションの大切さを訴える書き込みが相次いでいるという。

 大分市のように、全小中学校を対象に本年度のいじめの実態調査を独自に実施することを決めたところもある。

 一方、今回のいじめは担任教師の言動が発端になったとされることから、教師の再教育を主眼に置いた取り組みもみられる。

 いじめに対する教師の認識を問い直し、指導の在り方を再点検するよう、小中高などすべての公立校に通知したのは佐賀県教委。10項目の点検表を添付し、「教師として自分の言動の影響について配慮しているか」との項目を加えた。

 北九州市教委は、いじめの兆候や対応の失敗例などを示した2003年作成の教職員用冊子のデータを、市立校全215校にメールで配信。教職員に配布するよう指示した。

 秋月中の佐々木隆良教頭は「『いじめがない学校は存在しない』という前提で常に調査を続け、警鐘を鳴らしていく必要がある」と話している。

=2006/10/21付 西日本新聞夕刊=
(西日本新聞) - 10月21日17時7分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061021-00000023-nnp-l40