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2006年10月20日(金) 00時00分

県警の「振り込め」検挙54件…九州管内トップ、全国4位読売新聞

振り込め詐欺への注意を呼びかけるチラシ。和田さんの標語が大きく載っている
 県警の振り込め詐欺捜査が実績を上げている。今年3月に捜査2課に新設した広域知能犯対策室(専従捜査員18人)が中心になり、9月末現在で54件、61人を逮捕。すでに昨年の27件、43人を超え、九州管区8県警でトップの検挙数で、統計のそろった8月末時点では全国4位の成績だ。

 ■捜査は全国規模

 広域知能犯対策室は、被害者は県内でも犯人は県外という場合が多い振り込め詐欺に、迅速に対応するため設けられた。

 捜査の範囲は全国にわたり、今年に入ってから捜査2課と各署員延べ約350人が約90回にわたって17都道府県に出張。東京など首都圏が中心だが、同課は「土地鑑のないところで容疑者を見つけて検挙するのはたいへん。検挙数は地道な所在調査を繰り返した成果」としている。

 ■多いのは融資詐欺

 県警が今年受理した県内の被害申告は9月末現在、198件で被害金額は約1億3700万円。孫を装う「おれおれ詐欺」は6件と少なく、159件が融資保証金詐欺だ。

 電話や郵便で「安い金利で融資するから、まず保証金を振り込んでくれ」「ローンの一本化ができる。信用調査の費用を送金してほしい」などと、多重債務者らをだます手口で、このため被害に遭うのも高齢者に限らず、40歳代が約30%、30歳代が約25%、50歳代が約20%と各世代にわたる。

 ほかにも「出会い系サイトの未払い料金を支払え」など手口は多岐にわたる。

 ■手を染めれば厳罰

 また、県警が問題視するのが、容疑者の大半が10〜30歳代と若いことだ。

 これまで逮捕された容疑者には日南市出身の若者(10〜20歳代)グループがいた。12日に再逮捕された東京の振り込め詐欺グループには、男子大学生(21)や少年(犯行当時19歳)がおり、主犯の男(26)から支払われた報酬は、1人当たり数百万円。電話をかけ続けるだけで大金を稼げる手軽さに引かれるようだ。

 16日に宮崎地裁で判決のあった振り込め詐欺実行犯の被告には懲役4年罰金30万円(求刑・懲役6年罰金30万円)の判決が下った。宮崎地検によると、振り込め詐欺は初犯でも実刑判決が多い。

 手軽と言って悪質な犯罪に手を染めると厳しい刑罰が待っていることを、司法も姿勢で示している。

 ■未然防止策は

 9月6日、串間市の串間郵便局の局員が、孫へ送金するという女性客(87)に不審を抱き、家族に連絡を取るなどして調べたところ、振り込め詐欺であることがわかった。

 金融機関を訪れた段階で判明すれば幸運だが、防止するには自分で気付くのが基本。今年度、全国防犯協会連合会が募集した振り込め詐欺対策標語の最優秀作品には宮崎市の和田勉さん(73)の作品「たしかめる ゆとりが振り込め 封じ込む」が選ばれた。標語にあるように、確かめること、振り込めと言われたら疑うことが大切で、時任和博・捜査2課理事官は「手口は巧妙化している。自分だけで判断しないで、家族、警察に相談して」と注意を呼びかけている。

 詐欺の疑いがあったら、警察相談窓口(#9110)か最寄りの警察署へ。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyazaki/news001.htm