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2006年10月19日(木) 00時00分

須賀川一中柔道部事故、 支援の輪広がる朝日新聞

須賀川市の市立第一中学校の柔道部で、当時中学1年生だった女子生徒(16)が意識不明となった事故から、18日で丸3年が経過した。支援の動きが広がる中、両親らは県や市などを相手取って損害賠償を求める闘いを続けている。市教委も重い腰を上げ、再調査を開始した。

17日夜、両親や女子生徒を支援しようと、インターネットの掲示板での呼びかけに応じて全国から寄せられた折り鶴1万6千羽が、女子生徒の自宅に届けられた。匿名の支援者たちのまとめ役となった、栃木県内に住む男性(32)が、車で運んできた。両親と支援者たちの橋渡し役となった橋本健二市議(共産)も男性と一緒に訪れた。

折り鶴を受け取った父親(50)は「学校の対応で人間不信になりかけた時期もあったが、温かい気持ちをいただき、素直にありがたい」。両親らは先月、女子生徒の60年分の介護費を市などに求める損害賠償訴訟を起こした。当時の顧問と副顧問は業務上過失致傷容疑で書類送検されている。

03年10月18日。女子生徒の母親(43)は、その朝の光景を今も思い出すという。土曜日で学校は休みだったが、柔道部の練習に遅れそうだとあわてた女子生徒は、朝食のフルーツサンドをかき込んで、珍しく「学校まで送って」とねだった。車で校門まで送り、校内に駆け込んでいくジャージー姿の背中を見送った。その約3時間後、女子生徒が倒れたと、学校から知らせを受けた。駆けつけると、すでに女子生徒の意識はなく、今も意識は戻らないままだ。

その後、母親は仕事を辞め、ヘルパーの資格をとった。今年1月に病院から自宅に戻った女子生徒の介護をつきっきりで続けている。

事故について、両親は情報公開請求で、学校が市教委に提出した事故報告書を入手した。その内容は、先輩の男子生徒から一方的に頭から投げ下ろされたという、両親が集めた目撃証言と食い違っており、「学校に責任はない」という、母親にとって言った覚えのない言葉が載っていた。

この事故の再調査について、市もようやく重い腰を上げ始めた。「真実を追究すべきだ」とする市民の声などを受け、同市の相楽新平市長が今月13日、市教委に要請したという。市教委では、事故報告書作成の「基礎資料」となっている聞き取り調査結果などの提出を学校側に求め、検証を始めた。今後、必要に応じて関係者からの聞き取りも行う予定という。

県は今年1月、この事故などを受け、学校が事故報告書を教委に提出する際、保護者に目を通させ、意見を添付できるようにすることを勧める通知を出した。須賀川市では4月から、事故報告書を教委に提出する前に必ず、保護者に目を通させて、必要があれば意見を添えてもらっている。

http://mytown.asahi.com/fukushima/news.php?k_id=07000000610190004