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2006年10月19日(木) 00時00分

メードブーム、今度はメガネ店が大人気…業界も注目ZAKZAK

老舗の3代目、苦肉策大当たり

 【うれしい悲鳴】

 「いらっしゃいませ」

 頭にカチューシャ、首にはリボン。鼻にかかったヘルツの高い声でエプロン姿のメードが応対する。レースの手袋で手を組んでお願いのポーズ。上目遣いも加わろうものなら、オタクでなくとも妙な気持ちになるから不思議だ。

 「萌え」の発祥地・秋葉原で、この4月に開店したメードが接客するメガネ店『キャンディフルーツオプティカル』。休日ともなると全国各地から集まった20−40代のオタクたちでごった返す。

 「土日の1日平均で70−80人が来店し、ゴールデンウイークはお客さまでぎゅうぎゅう詰めでした」とは同店の責任者、山下修さん(34)。

 オタクをひき付けるのは、接客もさることながら細かいサービスにも秘密が…。

 「本日のご予算はどれくらいですか」

 同店ではメードが予算に合わせてメガネを一緒に選んでくれる。フレームが決まると検眼スペースに移り、レンズを選定。引き渡しはメードが携帯電話に連絡する「わくわくフォン」、直筆の手紙を受け取る「メードからのお便り」があるが、「9割は手紙。直筆手紙を記念品として思っていただいているようです」とは山下さん。

 フレームは国内外のブランド品を500本そろえ、価格は7000−3万5000円。オープン前は「正直どうかな、との不安はあった」が月に100本以上が売れ、いまや猫の手を借りたいほどの盛況ぶりという。

 【綿密に計算】

 実は山下さん。1年半前に初めてメードを知った程度で、「その趣味はないんです」と笑う。

 「昨春、経営者などが集まる会合を介して、『キャンディフルーツ』というメード衣装のブランドを展開する『カシス』さんと知り合ったのが出店のヒントになりました」と明かす。

 もともと、山下さんは創業50年の老舗『山下眼鏡店』(横浜市中区)の3代目で取締役。同店はヨン様ことぺ・ヨンジュンがかけたメガネを先行販売したり、ミュージシャンのガクトに商品提供することでも知られる。

 「メガネの店舗はどこも同じものを売るため、価格競争に陥りやすい。どうしたらそれを避けられるか、考えていたときに、芸能人のかけたものをいち早く販売するような、何か強烈な個性があれば、価格競争を避けられるんじゃないかと気づいたんですよね」

 全国数万人のメード・ファンに目を付け、カシスとライセンス契約。山下眼鏡店の1店舗として600万円の費用を元にキャンディ〜を出した。

 「1−2階は当店ですが3階は『キャンディフルーツ秋葉原店』なので、衣装を買いに来たお客さまが当店に流れてくれたり、その逆も。秋葉原を選んだのは、街行く人のメガネ着用率が極めて高かったから」と山下さんは語る。

 「お買い上げ、ありがとうございます。お気を付けていってらっしゃいませ」

 黄色いメードの声で目指すは年商3000万円。淘汰相次ぐ個人店に生き残りのヒントを与える異色のビジネスモデルといえそうだ。 

ZAKZAK 2006/10/19

http://www.zakzak.co.jp/top/2006_10/t2006101929.html