2006年10月19日(木) 15時49分

盗難欧州車で競売詐欺、業者を容疑で立件へ　福岡県警（朝日新聞）

　欧州各国でフェラーリやポルシェなどの高級車を専門に盗んでは輸出している窃盗グループから盗難車を不正に輸入し、国内各地の自動車オークションなどで売りさばいている業者がいることが１９日、わかった。グループの実態を調べていた福岡県警は、一連の行為が詐欺にあたる疑いが強まったとして近く、業者らを逮捕する方針を固めた。

　不正に輸入された盗難車はイタリア、フランス、ドイツなどで盗まれたもので１００台を超えるとみられる。スポーツカーだけでなく、ベンツやジャガー、アウディなど国内で人気の高い車種も多い。年式にもよるが、中古車でも１０００万円前後する車が少なくないという。

　県警の調べでは、ほとんどの車が、通関などの輸入手続きを巧妙にかいくぐった後で、車の「戸籍」にあたる車体番号を削って新たな番号に打ち変えるなどの手口で、正規の輸入車であるように装っていたとされる。

　こうした一連の不正には、神奈川県内の輸入業者（５７）ら数人が関与。この業者を通じて、全国各地の中古車オークションで売られていた。

　福岡県では０５年春、粕屋郡内で開かれた自動車オークションに出品されたフェラーリを福岡市内の会社が約２０００万円で落札したが、後でイタリアで盗まれた車であることが判明した。県警はこうした行為が、落札した会社を被害者とする詐欺にあたるとみている。

http://www.asahi.com/national/update/1019/SEB200610190003.html