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2006年10月18日(水) 00時00分

遺体無料でCT検査朝日新聞

 事件との関連が疑われながら、結局は「事件性なし」として、死因がはっきりしないまま司法解剖されない遺体がある。だが、遺族の疑問は消えない。「死因は何だったのか」——県内で司法解剖を担う千葉大法医学教室(岩瀬博太郎教授)は、司法解剖されなかった不審死の遺体についても、遺族の要望に応じて、無料でCT(コンピューター断層撮影)検査を始めた。全国でも例がない対応で、岩瀬教授は「正確な死因を知りたい、という遺族の声に応えていきたい」と話している。 

 同教室が遺族の要望によるこのCT検査を始めたのは今年8月から。検査は、同大のホームページから申し込みができるほか、警察を通じても申し込みは可能だ。

同教室が遺族の要望によるこのCT検査を始めたのは今年8月から。検査は、同大のホームページから申し込みができるほか、警察を通じても申し込みは可能だ。

警察の検視で事件性がないと判断された遺体は、原則として司法解剖されず、詳しい死因はわからないのが現状だ。

CT検査では、遺体を傷つけることなく、臓器の形や断面の映像を見ることができる。警察による検視は、目視や触診で行う。このため、「検視だけでは、死因が特定されぬまま犯罪が見逃される可能性も考えられる」と岩瀬教授は話す。

例えば、何かに頭をぶつけたり、腹部をけられたりして死亡した場合、外からの検視だけでは死因がわかりづらい。だが、遺体の内部を見ることができるCT検査なら、死因が判明することもあり得るという。

9月に乗用車を運転していた男性が遺体で発見された事故では、検視段階では事故死か病死かがはっきりしなかった。だが、CT検査によって、事故直前に車内で病死していたことがわかったという。

同教室は今年1月、このCT機器を導入。司法解剖前の遺体については、これまでもCT検査を実施してきた。8月に勝浦市の山林で女性が猟銃で撃たれて死亡した事件では、女性の頭部に数個の金属片が残っていたのを発見した。

ただ、CT検査も万全ではない。解剖のように、体内を直接見ることができないため、内臓の出血や骨折の有無、薬物の検出などが、わかりづらいという。

 岩瀬教授は「まだ限界はあるが、CT検査と司法解剖をうまく組み合わせることで、これまで以上に正確な死因の解明ができるはずだ」と話している。

http://mytown.asahi.com/chiba/news.php?k_id=12000000610170004