悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2006年10月17日(火) 20時04分

元社員への発明対価1億6千万円支払い確定 日立訴訟朝日新聞

 CDやDVDなど光ディスクの読み取り技術を発明した日立製作所の元社員が、職務上の発明に対する正当な対価の支払いを求めた訴訟の上告審判決が17日、あった。海外で登録した特許についても日本の特許法に基づいて対価が支払われるべきかどうかという争点について、最高裁第三小法廷(那須弘平裁判長)は「日本の特許法が適用される」との初判断を示し、日立の上告を棄却した。約1億6000万円の支払いを命じた二審・東京高裁判決が確定した。

 社内発明家が受け取る金額としては、確定判決では過去最高額。和解で終わった訴訟も含めると、対価としては青色発光ダイオード訴訟の6億円に次いで2番目。

 訴えていたのは同社の元主管研究員、米沢成二さん(67)。対価の一部として2億8000万円の支払いを請求していた。

 日本の特許法は、会社が、発明をした従業員から特許権を譲り受けた場合、従業員に「相当の対価」を支払うよう義務づけている。第三小法廷は「特許権を譲り渡す時点では、どの国に特許を出願するのかなどが確定していないことが多い」と指摘。国内特許と同じ発明についての特許であることも踏まえ、「外国特許分にも、日本の特許法が類推適用される」と結論づけた。

 米沢さんの発明に対する貢献率については一、二審とも14%と認定し、最高裁でも維持された。

 二審判決によると、米沢さんの発明は、日本のほか、米英仏など6カ国で特許登録された。これに基づき、日立はフィリップスなど15のメーカーから支払われた特許実施料や、メーカーが特許を相互に利用しあうクロスライセンス契約などで計約11億8000万円の利益を得たと算定した。

 米沢さんは69年に入社。96年に退社するまでに300件以上の職務発明を完成。今回問題になったもののうち最も主要な特許は、77年に出願されて90年に登録された。判決後、「日夜、企業で働く技術者を勇気づける判決だ」と語った。

http://www.asahi.com/national/update/1017/TKY200610170316.html