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2006年10月13日(金) 14時41分

悪質リフォーム、オリコと契約の4割が架空工事読売新聞

 悪質なリフォーム業者と高額なクレジット契約を結んだ高齢者らが、大手信販会社「オリエントコーポレーション(オリコ)」(東京都千代田区)を受取人とする生命保険契約を結ばされていた問題で、この業者とオリコとのリフォーム契約は117件に上り、少なくとも約4割に工事の実態がなかったことがわかった。

 業者が信販会社から資金を調達するための「架空工事契約」とみられるが、こうした契約の一部にも生命保険がかけられていた。信販会社側の審査の甘さが露呈した格好だ。

 問題のリフォーム業者「富士商」(東京都大田区、昨年7月に閉鎖)は、2003年9月にオリコの加盟店となったが、契約に問題が見つかり、昨年7月に取引停止となった。オリコが調べたところ、117件のクレジット契約のうち、少なくとも約4割は、実際には工事が行われていないことが判明したという。

 富士商の元役員によると、会社の運転資金などに充てるため、顧客の印鑑を借りるなどして架空の工事契約を結び、信販会社から資金を調達。返済時期が迫ると、新たな架空工事契約を結んで一部を返済に充てていたが、昨年7月に返済に行き詰まって事務所を閉鎖した。

 架空工事契約は、03年10月ごろには、毎月の契約の3分の2程度(約10件)となり、05年になると、契約の8割以上に達したという。

 東京都内に住む70歳代の女性の場合、2度のリフォームが行われた後、耐震補強工事など計約600万円の架空工事契約が結ばれていた。女性は「『心配をかけるようなことはない』と言われ、業者に頼まれて銀行印を渡した」と証言。現在、その大半が「債務」となっている。

 架空工事契約を巡っては、オリコが、大半は契約者が事前に了解している“名義貸し”にあたるとして、残金の支払いを求めて東京地裁に提訴。契約者側は「契約は業者が勝手に結んだ」などとして、争う構えをみせている。また、架空工事契約と判明したうち16件は団体信用生命保険(団信)に加入していたが、富士商元役員は「契約者から保険について聞かれない限り、こちらから説明することはなかった」と話す。

 オリコ広報・宣伝部では「係争中なので、コメントできない」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061013i308.htm