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2006年10月12日(木) 00時00分

グーグル、ユーチューブ買収で動画配信独走読売新聞

 【ニューヨーク=小山守生】米インターネット検索最大手グーグルは、動画投稿サイト大手の米ユーチューブの買収により、動画配信の米市場の約6割を押さえることになる。

 成長が見込まれる動画ネット広告の分野で覇権を握る狙いとみられるが、投稿動画につきまとう著作権侵害の可能性など、解決しきれない課題もある。

急成長の動画配信で収益拡大狙う

 ユーチューブは全世界から投稿された自作ビデオなどの動画をネット上で無料公開している。2005年のサービス開始以降、ブロードバンド(高速大容量通信)を背景に急成長し、最近は閲覧件数が1日1億件を超える。

 米調査会社ヒットワイズによると、米動画配信サイト市場占有率(9月)で、ユーチューブは46・0%と圧倒的な1位だ。グーグルは11・0%で、グーグルが検索連動型の広告を提供している提携先のマイスペース・ドット・コムの21・2%を加えると、78・2%に達する。

 ユーチューブは日本語での検索も可能なため、日本からの閲覧件数も急増している。調査会社ネットレイティングスがまとめた8月の閲覧件数では、ユーチューブは731万件を超え、国内大手のヤフー(396万件)、USEN(392万件)の1・8倍だ。

 グーグルは売上高の99%をネット広告で稼ぎ、米ネット広告市場で最大手だ。広告を掲載するメディアが広がる分、収益機会の拡大が期待できる。今後は特に、グーグルが得意とする文字広告より、動画広告の需要が高まると予測されている。今回の買収は、動画配信分野での遅れを一気に取り戻す意味がある。

メディアとの協業目指すが訴訟リスクも

 グーグルによる買収が発表された9日、米4大放送ネットの一角のCBSや音楽大手ソニーBMGなどが、動画ソフトをユーチューブに流すことに合意したと発表した。

 ユーチューブには、著名歌手の音楽ビデオのほか、映画や放送番組の一部が多数、著作権者に無断で投稿・公開されている。このため、放送など既存のメディア企業は、映像の削除などを求め対立してきた。

 今回、グーグルが、著作権者の許諾を得たうえで、放送番組や音楽ビデオに広告をつけてユーチューブ上に流し、広告収入を著作権者と分け合う仕組みを導入する方針を表明した。CBSなどはこれを受け、「敵視」姿勢から転換した。

 ただ、一部のメディア企業はなお対決姿勢を崩さず、訴訟も辞さない構えを示している。また、今回合意したメディアについても、「一般投稿に含まれる著作権侵害の映像まで容認したわけではない」との指摘もある。

 グーグルは、ユーチューブを傘下に収めることで訴訟リスクを背負ったとの見方もある。

ライバルの追撃も

 一方、ネット広告分野でグーグル追撃を図る米マイクロソフトや米ヤフーが、今回の買収に危機感を募らせるのは確実だ。米メディアによると、両社は米ネット接続最大手AOLをめぐる提携合戦に続き、ユーチューブの争奪戦でもグーグルに敗北した形になっている。グーグルの独走を防ごうと、他社が買収・提携の動きを加速させる可能性がある。

http://www.yomiuri.co.jp/net/feature/20061012nt02.htm