悪のニュース記事

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2006年10月10日(火) 00時00分

終わりないネットの脅威に対抗読売新聞

次々に変貌する脅威の質

木村 裕之  きむら・ひろゆき
株式会社シマンテック社長
 1954年、東京都出身。電気通信大電気通信学部卒。東京重機工業、サン・マイクロシステムズ常務などを経て2003年1月にベリタスソフトウェア社長。05年7月の米シマンテックと米ベリタスソフトウェアの合併を受けて、05年10月シマンテック社長に就任。06年4月に国内法人の統合を完了。

 コンピューターウイルスからフィッシング詐欺へ…。休むことなく進化する魔の手にどのように対抗すればいいのか。

—— 最近はコンピューターウイルスが世間をにぎわすことがあまりなくなりました。

木村 コンピューターを狙う脅威の質が変化しているからです。コンピューターウイルスは、パソコンを狙って無差別に感染し、被害を与えていました。目的は世間を混乱に陥れ、同時に自らの悪名を上げることだったのです。

—— それがどのように変化したのでしょうか。

木村 現在では個人情報を狙い、金銭を手に入れようとするものに急速に変化しています。以前のように大発生させて世間を騒がせることもなく、ターゲットをしぼって極力目立たないようにひっそりと情報を盗んだり、足がつくのを恐れて短期間に集中して攻撃したりなどと、ネット犯罪者はさまざまな工夫をしています。

—— 具体的にはどのような脅威がありますか。

木村 代表的なものは偽のメールやサイトを巧妙に利用した「フィッシング」などのオンライン詐欺で、その被害は日本でも増加をしています。

—— なぜそうした脅威が目立って来たのでしょうか。

木村 背景には、ブロードバンドの急速な普及があります。インターネットを快適に利用できる人が増えた反面、思いもよらなかった新しい脅威が付け入る隙もできてしまいました。インターネットの利用目的は娯楽ばかりではなく、今やネットバンキングやオンラインショッピングなど、個人情報や秘密情報を入力し、インターネット上で支払いの決済をするなど、生活の手段としての一部を担うようになりました。

http://www.yomiuri.co.jp/net/interview/20061010nt05.htm