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2006年10月09日(月) 00時00分

“庶民の味方”の窓口に 法テラス 東京新聞

 身の回りでさまざまな法的トラブルが起こったら、「日本司法支援センター」に連絡してみては…。問題解決への道筋を教えてくれるはずだ。新制度が“庶民の味方”の窓口になることを期待する。

 (電)0570・078374。下六けたの数字を語呂合わせで「お悩みなし」と読む。

 社会を明るく照らしたいという理念でスタートした日本司法支援センターは「法テラス」の愛称で呼ばれる。ぜひ「悩み」の解消のために、この新制度を活用したいものだ。

 固定電話なら全国どこからでも、この番号にかければ三分間で八・五円の通話料金で同センターにつながる。多重債務や相続問題、離婚問題、詐欺被害…。社会で起こる多種多様な問題に対して、オペレーターがどんな専門機関に相談したら、解決につながるのか教えてくれる。

 最大の課題は、一般の人々が使いやすい仕組みとして機能するかである。カギはこの情報提供の業務である。そのためにオペレーターとして、消費生活相談員などの経験のある人が対応にあたる。

 相談ごとの“受け皿”となる専門機関とは、例えば全国各地の弁護士会や司法書士会、税理士会、警察署などである。しかし、せっかく紹介を受けても、受け皿の対応がおざなりでは解決に結びつかない。全国で計二万五千を数える関係機関の担当者には、適切な対応を望む。

 もう一つの課題は、いわゆる「弁護士過疎」の問題である。全国の弁護士は約二万人を超えるが、多くは大都市に集中し、弁護士がいない過疎地域が多数存在する。

 「法テラス」の中核となる常勤弁護士は、過疎対策の任務も期待されているが、わずか約二十人にすぎない。二〇〇九年の段階では三百人が必要と試算されているだけに、今後、優秀な人材をどう確保していくかが、重要な課題となるはずだ。

 容疑者段階から国選弁護人をつける新制度も今月、始まった。殺人など重大事件に限られるが、年間七千件程度と予想され、やはり地方の人材不足の問題が発生する。地方格差が課題だ。

 「法テラス」は全国に五十カ所の地方事務所などを設置した。資力のない人への無料法律相談などの民事法律扶助の業務もこなす。犯罪被害者への支援も行う。こちらは(電)0570・079714。「泣くことないよ」で覚えてほしい。

 弁護士ら関係者は、協力してこの仕組みを軌道に乗せてほしい。不正や不当から、庶民を守る意義ある制度になるよう大事に育てたい。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20061009/col_____sha_____003.shtml