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2006年10月08日(日) 03時00分

JR東工事、無資格者が安全管理…派遣業者が経歴偽造読売新聞

 JR東日本発注の線路工事などで、人材派遣業者が社員の経歴を偽造し、本来なら資格がない社員が「工事管理者」となり、責任者として現場の安全管理などを行っていたケースが、少なくとも5件あることがわかった。

 このほか36人について経歴の真偽が確認できず、JR東は全員を現場から外した。JR東は、経歴偽造は派遣業者が組織的に行っていた疑いが強いと見ている。国土交通省もこの事実を把握、重大トラブルや事故につながりかねない悪質な不正行為として、再発防止策を講じるようJR東に指導した。

 JR東などの調査によると、派遣社員の経歴が偽造されていたのは、警備会社「三和警備保障」(東京都中野区)が実質的に経営している派遣会社「コンストラクション・サービス(CS)」(同)。「鉄建建設」(千代田区)が元請けとなっていた中央線立川駅近くの路盤工事で、工事管理者の男性(59)が今年3月、特急列車通過直前に工事用踏切を渡るという初歩的なミスを犯し、その原因調査の過程で経歴偽造が発覚した。

 JR東の内規では、工事管理者になるには5年以上の工事経験(大学などで土木や建築課程を修了した人は3年以上)が必要。男性が2004年3月に工事管理者の資格を取得した際、CS社が提出した経歴書には計6年3か月の工事経歴が記されていたが、実際には経験ゼロだったという。

 事態を重く見たJR東は、約300人の工事管理者について経歴書を点検するよう元請け業者に指示。この結果、CS社でさらに4人の偽造が見つかったほか、CS社を含む5社の36人について経歴の真偽が確認できず、全員を現場から外した。立川駅近くの工事でミスをした男性は読売新聞に対し、「三和警備保障から白紙の経歴書にサインだけするように言われ、会社側が虚偽の経歴を書き入れた。トラブル後、会社幹部から『JRに説明する時のためにこれを覚えてくれ』と虚偽の経歴書を見せられた」と話している。

 偽造発覚を受け鉄建建設は7月、CS社との契約を打ちきり、三和警備保障に対しても「警告書」を出した。CS社と三和警備保障は共に、「取材には応じられない」としている。

 JR東日本建設工事部の話「経歴偽造には深い憤りを感じている。直接の契約関係にある元請け会社に対し、厳しく指導していく」

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061008it01.htm