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2006年10月06日(金) 00時00分

個性の豊かさ商標登録に壁朝日新聞

 ハンバーガー伝来の地を売り物にして全国的なブームとなった「佐世保バーガー」のブランドイメージを守る取り組みに暗雲が立ちこめている。佐世保観光コンベンション協会が中心となり、素材や味、接客態度に優れた店に限って「佐世保バーガー」と名乗れる商標登録制度をつくろうとしているが、店ごとの個性が強いため、認定基準は定まらないまま。「認定がなくても商売はできる」と反発する老舗(しにせ)も出ている。(渡辺淳基)

 「味や接客 感性は様々」 

  業界団体づくり進まず

 米軍が駐留する佐世保市では、50年代初めから米兵相手にハンバーガーを出す店が街に並んだ。ファストフードの代表格である大手チェーンのハンバーガー店と違い、客の注文を受けてから手作りする「スロー」ぶりがテレビや雑誌で紹介され、同市の観光名物の一つとなった。
 ブームが広がる一方で、佐世保と縁もゆかりもない県外資本のスーパーなどが人気にあやかり、「佐世保バーガー」と名付けた調理パンを商品化。市内でもハンバーガーを扱う店が急増し、「せっかく並んだのに、あまりおいしくなかった」という声が観光客から出るようになった。
 イメージダウンを恐れた佐世保観光コンベンション協会は、今年4月の商標法改正で、地域ブランドも商標登録の対象となる制度ができたことに着目。素材や味、接客の基準を満たす店だけが「佐世保バーガー」の商標を使える制度づくりを始めた。
 だが、「おいしさや接客態度に対する感性は店や客で様々だ」(老舗バーガー店主)と、足元のバーガー業界の一部から反発が出た。商標出願には業界団体をつくる必要があるが、不参加を表明する老舗も現れた。
 同協会は「新規店の排除が目的ではないが、認定基準を緩めれば、商品の質が保てなくなる。県外資本の便乗商法を放っておけば、地域イメージに傷が付くことを分かってほしい」。
 同市矢岳町で老舗バーガー店を経営する藤谷和子さん(69)は「商標登録の意義は理解できるが、伝統はあってもおいしくない店や、新規店でもおいしい店はある。個性豊かなのが佐世保バーガーの特徴で、画一的な認定は難しいのではないか」と指摘する。

http://mytown.asahi.com/nagasaki/news.php?k_id=43000000610060002