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2006年10月06日(金) 00時00分

ヒューザー・小嶋被告初公判 無罪主張に怒り、批判 東京新聞

 耐震強度偽装事件で、詐欺罪に問われたマンション販売会社ヒューザー(東京都、破産手続き中)社長小嶋進被告(53)。五日の東京地裁での初公判で、無罪を主張した小嶋被告に、事件に巻き込まれた川崎市内のマンション三棟の住民など、同社物件の被害者らは「遺憾」「住民に謝罪を」などと憤りの声を上げた。 (飯田克志、小川慎一、加藤木信夫)

 小嶋被告は、藤沢市の分譲マンション「グランドステージ(GS)藤沢」の販売をめぐって、詐欺罪で起訴された。

 市内で耐震強度が偽装されていたヒューザー物件は、GS川崎大師(川崎区)、GS江川(同)、GS溝の口(高津区)。GS川崎大師と溝の口は建て替えが、GS江川は補強がそれぞれ必要。

 建て替えに向け、解体工事が始まったGS溝の口の橋場一郎管理組合理事(34)は「無罪の主張は遺憾。本当に無罪を主張するのであれば、ちゃんと納得できる証拠を、住民に提示してほしい」とコメントした。

 「多くの偽装物件に関係し、多くの住民に迷惑をかけているのは事実。その点は司法の場で真摯(しんし)に反省し、謝罪してほしい」。GS川崎大師の住民代表平貢秀さん(43)はこう指摘した上で「『自分も被害者』のようなことを言っているが、売り主として被害住民のことを第一に考えてほしい」と、小嶋被告の姿勢を批判した。

 GS江川の男性(51)は「小嶋被告は有罪になるべきだと思っているが、それで私たちのマンションの問題が解決するわけではない。それより、制度的に、耐震偽装を見逃した国の責任や小嶋被告にかかわった政治家らの責任はどうなっているんだ」と、同被告の裁判で、事件が幕引きになることを懸念した。

◆横浜

 「問題が発覚してからずっと『小嶋さんが悪い』とはどうしても言い切れなかった。瑕疵(かし)担保責任をまっとうしてほしかったけど、倒産したから仕方ない」。横浜市鶴見区の「コンアルマーディオ横濱鶴見」に住む女性(41)は淡々とした表情で話した。

 強度が基準の41%しかなく、昨年十二月に使用禁止命令が出されたが、住民の多くはマンションを離れていない。すでに補強による改修方針を決め、工事方法などについて協議を進めている。

 男性の住民(41)は「結局、元一級建築士の姉歯秀次被告だけが悪かったという事実しか出ていない。確認検査機関のイーホームズと国交省も悪い」と怒りをぶつけ、こう続けた。「でもね、誰が悪いなんてもう関係ない。普通の生活に戻るためにこつこつとやっていくだけだよ」

◆藤沢

 裁判でクローズアップされたGS藤沢は、六月から解体工事が進み、五日も巨大なクレーンがコンクリート片を運び下ろしていた。

 「強度が国の基準の十分の三(実際は0・15)しかないんでしょ。子どもを連れて歩きにくい。買わされた方には申し訳ないけど、一日も早く壊してほしい」。近くに住む主婦はまゆをひそめた。

◆平塚のホテル16日から営業

 昨年十一月に耐震強度偽装が発覚して営業を停止していた平塚市明石町のビジネスホテル「パークイン平塚」(十一階建て)は五日、三カ月間におよんだ補強工事が完了し、十六日から営業を再開すると発表した。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20061006/lcl_____kgw_____000.shtml