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日本経済新聞社の元幹部社員が実体のない会社を設立し助成金を詐取した事件で、警視庁捜査２課は４日、詐欺の疑いで新たに同社子会社「日経ピーアール」元部長、田中猛容疑者（６４）を逮捕し、日経新聞販売局の元部長相当職、森明容疑者（５８）を再逮捕した。
２人は日経東京本社販売局で先輩後輩の間柄。田中容疑者は一時、日経本社の局次長・部長級の「理事補」だった。
警視庁は、森容疑者が同社子会社の「日経印刷」営業部長だった当時、日経ピーアールに出向中の田中容疑者を誘い犯行に及んだとみて調べている。捜査当局によると、森容疑者はさらに１００万円超の助成金詐取の余罪があるという。
調べでは、２人は独立行政法人「雇用・能力開発機構」から、異業種に進出する企業を支援する「中小企業雇用創出人材確保助成金」の詐取を計画。２人の親族を役員にして設立したペーパーカンパニーの貨物運送会社が、ビル清掃管理業に進出するため従業員５人を新たに雇用したとする虚偽のの書類を同機構に提出し、平成１４年１〜１０月、５回にわたって助成金計約５１０万円を詐取した疑い。
２人は雇用した５人の名前に自分の子供らのものを使っていた。詐取した金は森容疑者が２００万円、田中容疑者が３００万円に分配した。
森容疑者は日経印刷に出向中の１６年７月、同社元社員の小石忠容疑者（６７）と実体のない印刷会社を設立し、今回とは別の独立行政法人から助成金５００万を詐取したとして逮捕され、東京地検は４日、詐欺罪で森、小石両容疑者を起訴した。
(10/04 23:34)