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2006年10月03日(火) 00時00分

芋煮会 車で飲酒許されない朝日新聞

 秋。芋煮会シーズンだ。県内各地の河川敷は、酒を飲みながら、芋煮を楽しむ人たちでにぎわう。だが、多くの人が、大きな鍋や具材を運ぶため、車で乗り付ける。9月24日には、山形市で警察の制止を無視して逃走、事故を起こした男性が逮捕される事件もあった。芋煮会で飲酒した帰りだったという。芋煮会が、社会問題化している飲酒運転の温床になっていないか。山形市の馬見ケ崎川河川敷を歩いた。(竹原大祐)

                ◇

 1日午前8時。雲間から太陽が顔をのぞかせる。予報によると昼間は晴れで、絶好の芋煮会日和になりそうだ。

 河川敷近くの駐車場に続々と乗用車やワゴン車が到着する。車から、大鍋とビール、日本酒を運び出し、「準備をしながら1杯」と石を積み上げながら、さっそく飲み始める男性もいた。間もなく周囲に3カ所ある駐車場はいっぱいになった。

 午前11時ごろになると、湯気を上げる鍋を囲むグループで、河川敷は埋め尽くされた。「乾杯!」とあちこちで宴会が始まった。

 午後2時過ぎ、気温は23・9度まで上昇。川を渡る風が気持ちいい。

 若い会社員が、すっかり出来上がった様子で、材料のネギを片手に踊りだした。学生時代の友人グループで来たといい、缶ビールを片手に「最高です」。もう、へべれけだ。河原では、千人近い人たちが鍋を囲み、楽しげな声が響いた。

 「日本酒と酎ハイが足りない。買ってくる」と赤ら顔で車に乗り込む人。飲酒運転を仲間にたしなめられるが、「全然、飲んでないよ。缶ビール1本だけだよ」と平然と話す人もいる。

 午後3時を過ぎ、風が冷たくなると、帰り支度が始まった。会社の同僚と仙台から軽乗用車で来たという40代の男性は「350ミリリットルの缶ビール1本だから大丈夫。運転できるし、検問でもわからない」と記者の制止を振り切って、車で帰っていった。

 ほかにも「飲んで4時間以上たっている」「みんな飲んでますよ。芋煮で酒を断るのは難しい。覆面パトカーには気を付けないと」という声も聞かれた。「飲酒運転は犯罪です」というトイレの張り紙がむなしい。

 現場で交通整理をしていた警備員は「ほとんどの人が飲んで運転しているのでは」としつつ「時節柄、以前に比べてドライバーは飲酒量を控えているようだ」と話す。タクシーや代行運転の車も数台、やってきた。

 県警交通指導課は「山形の伝統行事だからといって特別扱いはしない。飲酒運転の温床となっているなら、さらに取り締まりを強化する」という。運転すると知りながら、酒を薦めた人も、飲酒運転の幇助(ほうじょ)の対象として処罰されるとし、「みんなで飲めば怖くないという状況を作らないよう、心がけてほしい」と呼びかけた。

∞飲酒運転摘発数 前年より13人減〜秋の交通安全運動

 県警は9月21日から10日間実施した「秋の交通安全県民運動」の結果を1日、発表した。飲酒、酒気帯び運転の摘発、事故件数、死傷者数はいずれも前年と比べ減った。

 まとめでは、飲酒運転摘発数は20人と前年比で13人減った。逮捕者は3人で、酒気帯び2人、幇助(ほうじょ)1人だった。運転した理由は「捕まらないと思った」と答えた人が9人と最も多く「代行運転の費用節約」が7人だった。

 事故件数は188件で前年比90件減。死者は3人(前年比2人減)で、うち2人が85歳以上だった。けが人は250人と同103人減った。

http://mytown.asahi.com/yamagata/news.php?k_id=06000000610030005