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2006年10月03日(火) 22時46分

読売新聞

 民事裁判の弁護士費用の立て替えや、刑事裁判における国選弁護士の指名などの業務を担う独立行政法人「日本司法支援センター」(愛称・法テラス、本部・東京都千代田区)が2日にスタートし、県内では「青森地方事務所」(金沢茂所長)が業務を開始した。県内の法律相談サービスの充実が期待されるが、弁護士不足が深刻な現状では、「弁護士が対応しきれなくなるのではないか」と心配する声も出ている。(稲村雄輝)

 法テラスは、民事裁判や刑事裁判の当事者をサポートし、法制度に関する情報提供をする総合的な法律サービス機関として4月に設置された。

 原則的には、本部のコールセンター(0570・078374)で相談を受け付けるが、内容によっては全国50か所の地方裁判所所在地に置く「地方事務所」が対応する。

 県内では、青森市長島の日赤県支部2階に青森地方事務所(職員22人)を開設。弁護士の紹介や、資力のない人に対する民事裁判費用の立て替え、犯罪被害者支援などの業務を担う。金沢所長は「法律上の悩みをどこに聞けばいいのかわからず、あきらめる人をゼロにしたい」と話す。

 一方で、課題を指摘する声もある。10月からは新たな国選弁護制度がスタート。これまで対象外だった起訴前の容疑者も、殺人などの重要事件では同制度を利用できるようになった。

 だが、青森は県弁護士会への登録者が45人しかおらず、人口比でみた弁護士数は全国で最も少ない。その上、法テラスと契約した国選弁護士候補者は26人しかいない。

 新制度の対象となる事件数は、当面は年間約50件で推移する見込みだが、2009年以降は対象者が「最高刑懲役3年を超える全事件」に拡大されるため、対象事件が約700件に激増すると試算されている。

 青森市内の弁護士は、「弁護士の手が回らなくなる事態が起こる」と指摘。県弁護士会の横山慶一会長も、「09年以降は、今の弁護士で対応するのは、相当に厳しい」と話す。

 金沢所長は、「法テラスが出来ても、司法過疎の現状は変わらない。弁護士会とともに、弁護士の数を増やすという根本的な問題にも、これから取り組んでいく必要がある」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/aomori/news001.htm