悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2006年10月02日(月) 00時00分

秋の夜長に「デジタル図書」…松下&角川がタッグZAKZAK

端末+ソフト覇権争い激化

【伸びる市場】

 松下連合はきょう2日、電子書籍事業を行う新会社「ワーズギア」を設立し、同市場に本格参入してくる。参入にあたり、同社の大槻隆一社長は「単に紙媒体の電子化ではない。軸足は本だが動画や音楽、写真など、新端末では多様なコンテンツに対応したい」と意気込みを語った。

 電子書籍の市場動向などを調査するインプレスグループによると、電子書籍市場の規模は平成15年度の約20億円から16年度に45億円となり、17年度には94億円と急激な伸びをみせている。

 ワーズギアは、半年後の18年度末には市場規模は160億円、22年度末には600億円に伸びると予測しており、「できればシェア10%を獲得したい」と鼻息が荒い。

 目下、同市場の牽引(けんいん)役を務めているのは、携帯電話向けの電子コミック。故石ノ森章太郎氏の作品のコンテンツを販売している石森エンタテインメントによると、「市場の成長に合わせて、石ノ森作品の携帯電話向けコミックの売り上げも増えている」という。

 また、オタク的な側面もあるようで、ある業界関係者によると「ボーイズラブ(美少年同士の恋愛もの)などのコンテンツも市場の成長を支えている」という。

 ただ、成長中とはいえ一般書籍市場の2兆3000億円と比べると、まだまだ発展途上。“IT読書”が定着すれば、電子書籍の市場規模は1000億−2000億円にはなる可能性を秘めている。

【メディアミックス】

 松下連合の最大の武器は、社名と同じ「ワーズギア」と呼ばれる電子読書端末。「この端末では朗読音声が聞けたり、音楽を聴きながらの読書も可能。アイドルのグラビアが動画になることもありうる」(角川モバイルの佐藤辰男社長)というメディアミックスがウリだ。

 「端末が文庫本サイズでないと長時間の読書は難しい」という理由から端末は小型におさえ、その上で大型の高精細カラーディスプレーを登載している。11月中をめどに年内に発売の予定で、年度内に1万台を目指す。オープン価格だが「実勢価格は4万円程度になるようにしたい」という。

 インプレスグループ・hon.jpの落合早苗副社長は「米国では、インターネット書籍販売大手のアマゾンが電子書籍の専用端末を出す。日本でもデジタル機器で本を読む習慣が定着しつつある」と話す。

 新しい市場では、覇権を握ったところがウハウハ状態になる。松下連合が目指すのも、まさにそれだ。

ZAKZAK 2006/10/02

http://www.zakzak.co.jp/top/2006_10/t2006100234.html