悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2006年10月02日(月) 00時00分

オラを助けてクレヨン〜「しんちゃん」中国略奪ZAKZAK

無断で商標登録しグッズを販売

 「中国のコピー商品については国際批判も出ており、中国政府も近年は厳しくなっているが、こうした判決が下されるとは後退している感じだ」

 中国事情に詳しい作家の森田靖郎氏は、今回の判決にあきれる。

 関係者によると、双葉社は一昨年6月、しんちゃんのかばん、衣料品などのキャラクター商品を上海などで販売しようとした。

 しかし、クレヨンしんちゃんの中国名タイトル「蝋筆小新」と図柄を使ったコピー商品がすでに登録されていたため、同社側が商標権を侵害しているとされ、商品が店頭から撤去させられてしまった。

 問題の「蝋筆小新」の商標権は広東省の中国企業が1997年に勝手に取得。この企業から権利の譲渡を受けた上海の靴メーカーが“偽しんちゃんグッズ”を堂々と販売している。

 こうした理不尽な事態に、双葉社は昨年1月に国家工商行政管理総局に商標登録の無効を求めたが、同総局は同年12月、上海企業の商標を正当と認定。これを不服とした双葉社は今年3月、北京市第一中級人民法院に提訴したが、同法院も6月、総局の判断を支持した。双葉社は北京市高級人民法院(高裁)に控訴している。

 自動車からおもちゃまで、中国にはあらゆるコピー商品があふれており、日本側の被害額は年間1兆円を超すともいわれている。

 前出の森田氏は「かつては日本のメーカーも“中国版”の商品を一部認めていたが、それが現地の業者に『勝手に作ってもいいんだ』と拡大解釈され、無断で商標登録されるケースも起きてしまった。日本も偽物を作る工場を買い上げるなどの対応をとっているが、追いついていない」と解説する。

 中国政府も01年の世界貿易機関(WTO)加盟後、知的財産制度の拡充を図ってはいる。「政府に厳しく取り締まってもらうしかない」(森田氏)が、「偽しんちゃん」が消える日は来るのか−。

ZAKZAK 2006/10/02

http://www.zakzak.co.jp/top/2006_10/t2006100208.html