2006年10月02日(月) 12時06分

「ささいな事でも気軽に」　佐渡島に法律事務所開設（山形新聞）

　新潟市の約４０キロ沖に浮かぶ佐渡島（佐渡市）に２日、日本司法支援センター（法テラス）が運営する「法テラス佐渡法律事務所」が開設された。東京からスタッフ弁護士冨田さとこ弁護士（２５）が着任。佐渡市役所佐和田支所の一部を間借りした事務所で業務を始めた。
　冨田弁護士は午前８時４０分ごろ出勤したが、業務開始予定の９時になる前から予約の電話が鳴り始めるなど、早速大忙し。
　佐渡島はこれまで弁護士が１人しか居ない、いわゆる“ゼロワン”地帯。県弁護士会によると、島内で争い事が起きても双方の相談を１人で受けることはできない“利益相反”を理由に断らざるを得ないケースもあった。住民によると、いわゆる「先に相談した者勝ち」の状態だったため司法に相談するという習慣もあまりなく、土地の境界などで争い事が起きた際は、地元の有力者の判断でことが決定される場面もあったという。
　地元の期待も大きく、開設の数日前から既に相談の問い合わせも。高野宏一郎市長は「司法がより身近にあることが実感できる場になってほしい」とコメント。冨田弁護士も「ささいな事でも『ここに来れば解決できるかも…』と気軽に相談に来られる場所にしたい」と笑顔で話していた。

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