2006年09月30日(土) 00時00分

再捜査でも不起訴/道警裏金（朝日新聞）

　■５元署長を札幌地検
　　—— 「私的流用なかった」

　道警の裏金問題で札幌地検は２９日、元署長５人について「私的流用は認められなかった」などとして、嫌疑不十分で再び不起訴処分にした。同地検が０５年に起訴を見送り、札幌検察審査会が０６年３月、捜査は不十分で判断は裁判所に委ねるべきだなどとして不起訴処分を不当と議決したため、再捜査していた。

　同地検の石田一宏次席検事によると、審査会の議決を受けて、改めて、警察内部だけでなく捜査協力者を含め約７０人の関係者と、５人の銀行口座など約１００カ所の関係団体を捜査したという。

　この結果、（１）捜査員に配分されていた月１万円は捜査協力者への協力費などに支払われた（２）副署長が保管していた裏金は捜査終了時の激励や慰労費に使われていた（３）５人の銀行口座には餞別（せんべつ）金などとして振り込まれた事実は認められなかった、などを確認。私的流用はなかったと結論づけた。

　ただ、地検の捜査では、使途すべてを確認できなかったことを明らかにし、今回捜査した関係者の人数の内訳についても「具体的にはいえない」とした。

　同審査会に審査を申し立てた民主党の鉢呂吉雄衆院議員は、地検の処分を不服とし、同審査会に再び審査を申し立てる方針。鉢呂氏は「警察に弱みを握られた検察によるずさんな捜査としか思えない」と話している。

http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000000610020007