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2006年09月30日(土) 08時00分

ネットで雑誌が本格化へ 主婦の友社「ef(エフ)」産経新聞

 ■デジタル版のみに

 インターネットで紙のようにページをめくりながら読む「電子雑誌」が本格化に向けて動き出した。主婦の友社は女性ファッション雑誌「ef(エフ)」をすでに8月号から「デジタルef」に切り替えたほか、年内には小学館をはじめ10社以上が一斉に電子雑誌をスタートさせる。雑誌の売れ行きが低迷する中、電子雑誌は新たな読者を獲得できるか。(上塚真由)

 ネット上には雑誌を紹介するサイトや、いわゆるウェブマガジンはすでに多数存在しているが、今回の電子雑誌は紙雑誌と同様の体裁を取り、ページをめくるような感覚で読めるのが特色。新聞では産経新聞の「産経ネットビュー」が先行している。

 小学館は、コミック誌など既存の3誌について電子雑誌でも並行して販売する。雑誌名は明らかにしていないが、いずれも紙媒体と全く同じ内容で価格も同じ設定にするという。軌道に乗れば、同社が発行する全雑誌を対象にする方針。さらに来春には、新たなネットオリジナルの雑誌の創刊も予定しているという。

 小学館などの電子雑誌を販売するのは、雑誌のオンライン書店を運営する「富士山マガジンサービス」。西野伸一郎社長は「雑誌は細分化された関心にこたえられるメディア。インターネットを通じて読者と雑誌をうまくつなぎたい」と語る。

 一方、先行する主婦の友社は独自に雑誌をデジタル化。「ef」は創刊22年の伝統があり、台湾や中国でも人気があるが、発行部数は6、7万部と低迷する厳しい事情を背景に、オンラインへの切り替えを決めた。

 3カ月で、のべ約100万ページの閲覧があり、まずまずのスタート。現在は無料だが、来年から有料になる予定。同社ライツ事業部デジタル編集室の肥田木隆広室長は「雑誌を買わない層にネットを通じてうまくアプローチできれば。紹介した服をクリックすると購入できたり、音楽を試聴できたりと、紙ではできないことを考えていきたい」と話す。

 電子雑誌の発刊の背景には紙雑誌の低迷がある。出版科学研究所によると、昨年の国内雑誌市場は販売金額が前年比1・8%減の約1兆2800億円で、販売部数は同3・3%減の約28億7000万冊。金額は8年連続、部数では10年連続で減少している。売れ行きが不透明となる中で、返品がないというのも、電子雑誌の魅力だ。

 とはいえ、このまま雑誌がデジタルへ移行していくとの見方は少ない。主婦の友社が20代女性を対象に調査したところ、ネットユーザーと、雑誌購入者の層は異なるとの結果が出たという。

 小学館ネット・メディア・センターの岩本敏さんは「ネットで雑誌を展開することで、雑誌そのものの価値を見直してもらいたい」と期待する。紙媒体とネットの共存が課題となっている。(上塚真由)
(産経新聞) - 9月30日8時0分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060930-00000009-san-bus_all