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2006年09月29日(金) 03時06分

悪質リフォーム「命の担保」…オリコ受取人に保険契約読売新聞

 悪質なリフォーム会社と高額な契約をしたお年寄りが、大手信販会社「オリエントコーポレーション(オリコ)」(東京都千代田区)を受取人とする生命保険契約を結ばされていたことが28日、わかった。

 このリフォーム会社を巡っては、都内の消費者センターなどに苦情が相次いでいる。中には保険の加入を知らされていない契約者も含まれる。消費者金融が借り手を生命保険に加入させていたことが「命を担保にしている」と問題になったばかりだが、高齢者を狙った悪質商法でも同じ実態が浮かびあがった。

 民間の調査機関などによると、このリフォーム会社は、1995年に都内に設立された。

 関係者によると、同社の社長らは、2003年ごろから、お年寄りの住む一軒家を訪れて営業を行い、屋根や風呂、外壁、耐震補強などの工事を勧めては、1件あたり約100万円〜300万円の契約を結んだ。支払いは、現金払いか信販会社とのローン契約だった。

 このリフォーム会社は、オリコを含めて信販会社2社に加盟し、お年寄りはいずれかとローン契約を結んだ。このうちオリコとの契約では、ローン契約の申込書が団体信用生命保険(団信)用の申込書を兼ねており、契約書の片隅に小さな文字で「団体信用生命保険への加入を申し込みます」と印刷されていた。

 団信は、銀行などが、住宅ローンや割賦販売などの債務を抱えた人を被保険者として結ぶ保険で、ローン契約者らが死亡した場合、生命保険から残金に相当する保険金が支払われる仕組みだ。

 経済産業省では「契約者が、説明のないまま保険に加入させられていたとすれば問題」と話す。

 このリフォーム会社を巡っては、「強引に契約を迫られた」「やってもいない工事代金の請求が来た」などの苦情が昨年から都内の消費者センターに相次ぎ、会社の事務所は昨年7月に閉鎖されたままだ。

 被害を訴えているのは東京、神奈川で数十人に上るといい、年金生活のお年寄りが大半で、合わせて1000万円を超える契約を結ばされた人もいた。

 東京都内の男性(77)は「しつこい勧誘で、強引に約200万円の風呂の工事を契約させられた。亡くなった場合には、うちが責任を持って残金を支払うと言われたが、保険の説明は全くなかった」と話した。

 都内の女性(79)は「代金を支払った後、身に覚えのない約300万円の請求がきた。後で信販会社から契約書を取り寄せたところ、筆跡も印鑑も自分のものではなく、架空工事だったが、信販会社からしつこく催促されたので支払った」と悔やむ。

 信販会社2社は取引に問題があったなどの理由ですでにこのリフォーム会社を取引停止としているが、ローンや団信の契約は継続している。

 オリコ広報・宣伝部では「訴訟になる可能性があるので、コメントは一切控えたい」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060929i301.htm