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2006年09月29日(金) 22時53分

「一人勝ち」さらに進むか 2011年の梅田を空想散歩朝日新聞

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 西日本最大のターミナル、大阪・梅田。阪急、阪神両グループが10月1日に統合して阪急阪神ホールディングス(HD)が誕生するのを機に、既に工事中の阪急百貨店に加えて阪神百貨店も建て替えの方向が固まった。北東の「阪急村」と西の「阪神村」にはさまれたJR大阪駅周辺でも三越の進出と大丸の増床が相次ぐ。各拠点を空中回廊で結ぶ構想も出始めた。主な百貨店の新体制が出そろう2011年の秋の昼下がり、梅田周辺を散歩してみると——。

 いやあ、阪急百貨店の梅田本店は、予想したよりレトロな外観だ。1929年の創業時のイメージをできるだけ守ったんだって。前の建物は9階建てだったが、今度は13階建てか。売り場の面積は1.4倍の8万4千平方メートルになって大阪一とか。得意の婦人服を中心に、高級ブランドが勢ぞろいだなあ。

 すぐ隣の高層オフィスビルは41階建て。百貨店とあわせて、阪急の首脳が「梅田のランドマークにしたい」と言っていただけのことはある。

 おっ、南西のあっちで工事中なのが、阪神百貨店の本店か。そうそう、阪神百貨店は本格的な店舗が本店一つだけで、ビルの老朽化が激しくても改装でしのごうとしていたんだが、阪急との統合で代替店舗の確保にメドがついて建て替えに踏み切ったんだよね。再オープン後は、定評があるデパ地下の食品街をさらに充実させるそうだ。

 西梅田に行ってみようっと。移動が便利になったねえ。以前は、迷路のような地下街を通るか、歩道橋を上ったり下りたりしなきゃいけなかったけれど、JR大阪駅を含めて空中回廊で結ばれたから、お年寄りでも楽ちんだ。

 阪神が90年代後半から順に開業したハービスENT(エント)、ハービスOSAKA(オオサカ)は、お店も劇場もにぎわっているなあ。すぐ近くで、商業施設やホールが入る34階建ての大型ビルをサンケイビルが建てたから、西梅田にはますます人が流れるようになった。

 JR大阪駅の周辺は、阪急と阪神にはさみ撃ちされたね。JR西日本の幹部は「阪急阪神に囲まれた真ん中を空洞化させるわけにはいかない」と危機感をあらわにしていたが、何の何の、お客さんでいっぱいじゃないの。駅の北側に登場したJR西の「新北ビル」は地上28階建てだ。三越が5万平方メートルの売り場で入ったほか、12スクリーンあるシネコンや専門店街が売り物だ。

 東西を通る線路上には橋上駅舎が設けられ、駅の南側への移動も楽になった。駅のコンコースも拡張され、朝夕の混雑はかなり和らいだ。駅南側の商業ビル「アクティ大阪」も増床され、売り場が約6万4千平方メートルに増えた大丸梅田店は「駅前百貨店」から総合百貨店に生まれ変わったね。

    ◇

 阪急、阪神の梅田駅とJR大阪駅の一日あたり乗降客は155万人(05年)。少子化の影響などで90年代前半から減り続けてきたが、ミナミの中心・難波駅よりひと足早くプラスに転じた。

 今後も「梅田の一人勝ち」を予想する声は多いが、阪急と阪神が統合しただけで梅田の発展が約束されたわけではない。日本政策投資銀行関西支店の遠藤業鏡(かづみ)調査役は「具体的な統合効果はまだ見えてこない。商業施設だけでなく、魅力的な住宅地を沿線で共同開発できるかなど、課題は多い」と指摘する。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200609270014.html