悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2006年09月29日(金) 08時00分

ソフトバンク 来月13機種で宣戦布告 ポータビリティー“開戦”産経新聞

 国内3位の携帯電話会社、ボーダフォンを買収して10月1日から社名変更するソフトバンクモバイルの孫正義社長は28日、都内で記者会見し、秋冬商戦向けの新しい携帯電話端末やサービスを発表した。

 10月24日の「番号ポータビリティー」(番号継続制度)開始を見すえ、例年より発売時期を前倒しし、10月上旬から全13機種を順次発売する。グループのヤフーと連携し、インターネットユーザーも取り込む狙いだ。

 孫社長は「戦いのリングに上がる前のボクサーのような心境」と述べ、端末の薄さやネットサービスの使いやすさなどを他社にない強みとした。

 端末機器はシャープや東芝、NEC製などを採用。「706SC」(サムスン電子製)は、国内で最薄の12・3ミリメートル(折りたたみ時)を実現するなど、4機種を16ミリ以下の薄型モデルにした。価格は未定。

 また、携帯端末にヤフーに直接接続できるボタンを追加。ヤフーの多様なサービスに接続できるようにして、ネットの情報サービス分野で他社との差別化を図る。

                  ◇

 基地局数や携帯電話端末数を増やし、コンテンツ(情報の内容)を充実させる−。ソフトバンクモバイル(現ボーダフォン、10月1日社名変更)が28日に発表した携帯電話事業戦略は、ライバルと変わらぬ“正攻法”だった。これが実現すれば、3番手で水をあけられていた同社は、NTTドコモ、KDDI(au)の携帯電話端末やサービスとの間に大きな差はなくなり、10月24日の番号ポータビリティ解禁後の大競争時代に突入する。(谷口正晃)

                  ◇

 ■端末増強、サービス改善

 「使いにくい、やぼったい、日本人の好みに合わないというボーダフォンの現状を改善した」

 ソフトバンクモバイルの孫正義社長は、弱点とされた端末について、「業界最多の13機種54色を投入。デザインと機能にこだわり、スリムさを追求した」と薄さを強調した。「一定の厚さを超えると売り上げががたっと落ちる」(KDDI)という消費者心理を巧みにとらえた動きだ。

 ただ、今や端末の格差はほとんどないといっていい。秋冬商戦は高速通信、電子マネー、音楽再生などの機能が注目点だが、各社ともいずれかの端末に搭載している。

 機種数も、ドコモが年度内に20機種を予定し、KDDIも14機種を投入する。ソフトバンクモバイルの増強でこの面も差がなくなった。

 だが、「今年度は過去最高の50機種を予定している」(ドコモの中村維夫社長)との状況が続けば、飽和状態にある携帯市場で、1機種当たりの販売台数は落ち込む。1台百数十億円の開発コストを吸収するため、部品やソフトの共通化は不可避。すでに、「外側が違うだけで中身は同じ」という端末が増えつつある。

 携帯電話のつながりやすさを左右する基地局整備も、ソフトバンクモバイルが年度内に倍増を宣言した。ここでも事業者間格差は縮小し、つながるのは当たり前となる。

 ハード面での差が消えれば、焦点は料金とコンテンツになる。しかし、「お金で獲得したユーザーはお金で奪回される」のは韓国などでも実証済み。孫社長も現段階では料金競争からは距離を置く姿勢だが、即効性のある“劇薬”であるため、どこが引き金を引くか互いに警戒する状況だ。

 差が出るとみられるのはコンテンツだ。通信速度が速くなり、携帯電話とパソコンとの差が縮まり、ヤフーというインターネットコンテンツを活用できるソフトバンクモバイルの優位性が光る。ただ、auやドコモも携帯向けコンテンツで先行し、新規コンテンツの開発を加速させている。

 顧客争奪につながる番号ポータビリティが利用されるかどうかは分からないが、ソフトバンクモバイルの巻き返しで業者間競争の激化は必至で、賢い利用者が恩恵を受けることになりそうだ。
(産経新聞) - 9月29日8時0分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060929-00000006-san-bus_all