2006年09月28日(木) 18時53分

文春側に慰謝料支払い命令　福岡一家４人殺害の記事巡り（朝日新聞）

　福岡市で０３年に起きた一家４人殺害事件をめぐり、犯人であるかのような記事を「週刊文春」に掲載され名誉を傷つけられたとして、被害者の実兄夫妻が発行元の文芸春秋と編集者に１億１０００万円の賠償を求めた訴訟の判決が２８日、東京地裁であった。金子順一裁判長は「取材は十分な裏付け調査もなくずさん。真実と信じる相当な理由はない」と述べ、文春側に慰謝料など１１００万円の支払いを命じた。

　訴えていたのは、被害者の松本千加さん（当時４０）の兄の梅津知敏さんと妻の美登子さん。週刊新潮（新潮社）とフライデー（講談社）の記事を巡る同様の訴訟では夫妻の勝訴が確定している。

　問題となったのは「週刊文春」０３年７月１０日号の「捜査陣の標的はこの男女」と題した記事など６本。判決は「実兄夫妻が真犯人であるかのように記載したが、主要部分は真実とは認められない」と指摘した。

　事件は中国人３人が日本と中国で起訴され、うち１人に対し中国で死刑が執行された。

http://www.asahi.com/national/update/0928/TKY200609280332.html