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2006年09月27日(水) 17時14分

東京大気汚染訴訟 控訴審が28日結審 車メーカー責任は毎日新聞

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裁判の早期解決を訴える原告の小柳聡美さん    排ガスによる汚染で健康被害を受けたとして、東京都内のぜんそく患者らが自動車メーカー7社と国、東京都などを訴えた「東京大気汚染訴訟」の控訴審が28日、東京高裁で結審する。02年の東京地裁判決では、原告102人のうち7人に国と都などの損害賠償が認められたが、メーカーの責任は否定。残りの原告については、排ガスと健康被害の因果関係を認めなかった。原告は「被告は謝罪し、早く原告全員を救済してほしい」と訴えている。
 原告の小柳聡美さん(27)=東京都北区=は小学校へ入学する直前、ぜんそくを発病。それ以来、病気だけではなく偏見とも闘ってきた。
 体育の授業では全力疾走できず、同級生から「サボっている」といじめを受けた。「人と話すのが怖くなり、昼間の外出を避けるようになった」
 しかし、96年の提訴後は「被害を訴えなければ、周囲の無理解も変わらない」と体験を語ろうと決意。控訴後も多い時には月2〜3回、地元の集会場や街頭などで、震える手足を抑えながらマイクを握った。
 地裁判決は、排ガス中の二酸化窒素(NO2)などの物質と健康被害との因果関係が認められる地域を「昼間12時間の交通量が4万台を超える道路の沿道50メートル以内」とした。小柳さんの自宅は、都道からわずか約20メートルの距離だったが、交通量が約1万台だったため因果関係は認められなかった。しかし、原告団が独自調査したところ、NO2の濃度は都心の幹線道路並みだった。
 小柳さんは「ぜんそく患者は周囲の偏見で、体と心の二重の被害に苦しんでいる。23区全体に汚染が広がっており、被害者を増やさないためにも早く解決してほしい」と話した。【奥山智己】
 【東京大気汚染訴訟】 96年5月に初提訴後、今年2月の第6次まで患者や遺族計633人が提訴した。被告メーカーは▽トヨタ自動車▽日産自動車▽三菱自動車工業▽日野自動車▽いすゞ自動車▽日産ディーゼル工業▽マツダの7社で、損害賠償の請求総額は1〜6次で計148億円。第2次提訴以降の裁判は現在、東京地裁で係争中。
(毎日新聞) - 9月27日17時14分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060927-00000022-maip-soci