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2006年09月27日(水) 20時32分

専門学校の入学者激減 年50校廃校朝日新聞

 専門学校に進む学生が今春、大幅に減った。今春の入学者は昨年より2万6000人、率にして一気に8%も減少した。就職率が高い専門学校への進学者はこれまで、少子化が進んでも堅調に推移してきたが、就職環境の急速な改善や、専門学校で教えてきた分野への大学の進出が打撃となったようだ。

 短期間の教育で、多数の即戦力の人材が輩出してきた専門学校。入学者数は、第2次ベビーブーム世代が18歳を迎えた92年度に36万人を超え、ピークを迎えた。「超氷河期」と呼ばれた90年代前半から一昨年の間も、資格を得て、手に職を付けようと考える学生が多く、毎年31万人から36万人が入学していた。

 微増が続いていた状況に変化が見えたのは04年度で、前年度より減少に転じた。減り方はまだ小さく、1%ほどにとどまっていたが、今年度になって急に前年比8%も激減した。この事態は、専門学校が76年に誕生して以来初めてのことだ。

 全国専修学校各種学校総連合会(全専各連)の分析では、主な原因は三つある。特に今年顕著だったのは、景気回復と団塊の世代の大量退職による高校新卒者の就職環境の急速な改善だ。02年には90%を切った就職内定率(各年3月末現在)は、06年には96%にまで改善。求人倍率(同)も、03年の1.21倍から06年には1.61倍にまで回復した。

 さらに追い打ちをかけたのが、「大学の専門学校化」だ。少子化の中で学生を集めようと、私立大を中心に、これまで専門学校で学ぶケースが多かった看護や介護、さらには観光や動物関係も教える大学が増えている。

 さらに少子化によって、地方国立大や中堅以下の私立大の競争率の低下も影響している。高校新卒者の大学入学志願率は年々上がり、今年ついに50%に達した。進学校以外の高校の先生や、これまでなら専門学校に進んでいた学力層の生徒にも「大学に入れるかもしれない」という認識が広がる。

 学生の減少を受け、服飾や情報処理など人気が落ちている分野の専門学校を中心に、最近では年間50校前後が廃校になっている。それでも不人気校を廃校にした学校法人が、一方で生き残りをかけて人気のある動物やリハビリテーション関係の学校を開校させるなどして、学校数は横ばいが続く。

 全専各連の菊田薫事務局長は「今までにない急激な落ち込み方に驚いている。大学への進学実績を競っている高校が、入りやすくなった大学への進学を生徒に勧める傾向を強めている影響もあるようだ」と話した。

http://www.asahi.com/life/update/0927/007.html