2006年09月26日(火) 13時01分

青公大・公金不正流用：元課長、８０万円詐取を認める−−地裁で初公判　／青森（毎日新聞）

　青森公立大（青森市）の不正流用事件で、大学設置者の青森地域広域事務組合（管理者・佐々木誠造青森市長）から現金約８０万円をだまし取ったとして詐欺罪に問われた青森市緑１、元総務課長、田辺直（なおし）被告（４８）の初公判が２５日、青森地裁（渡辺英敬裁判官）であった。田辺被告は起訴事実を「（間違い）ありません」と全面的に認めた。
　起訴状によると、田辺被告は同課の課長補佐だった９９年９月９日ごろ、同大教授が海外出張するとして架空の旅費支出命令票などを作成し、事務組合から現金約８０万４０００円をだまし取った。
　検察側は冒頭陳述などで、田辺容疑者は９３年の同大開学当時、消費者金融数社から２００万円以上の借金があり、借金返済などのために当時から私的流用を繰り返していたことを明らかにした。また、田辺被告は事件発覚当時、私的流用を否定していたことについて、「うそであり、悪いことには変わりがないが、そう言えば内部処理だけで済むかもしれないと思った」と供述しているという。
　同大では１億円を超える不正流用が発覚しており、青森署は他にも田辺被告が着服していたとみて、さらに調べている。青森地検は１０月中旬までに数件分を追起訴する方針。
　この事件をめぐっては、事務組合が今月１５日、田辺被告を相手取り、使途不明分９２２４万２３５５円の損害賠償を求めて同地裁に提訴した。【喜浦遊】

９月２６日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060926-00000078-mailo-l02