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インターネットの無料メールサービスの利用が急速に広がっている。各社がメールの保存容量の拡大を進めたため、デジタルカメラの画像など情報量の多いデータでも大量に保存できるようになってきた。メールサービスの利用者が増えれば、ネット広告などの収入も増えるとして、ネット各社は集客に知恵を絞っている。(河野越男)
無制限?ネット検索大手のグーグルが8月から本格的に始めた無料メールサービス「Gmail(ジーメール)」は、送受信したメールがほぼ無制限に保存できる機能が最大の特徴だ。
利用を始めた時に、一つのメールアドレスごとに「通常のメール数十万件分」(ネット関係者)を保存できる容量が割り当てられる。
メール本体や添付ファイルの画像など、蓄積したデータ量が容量の限度に近づくと、自動的に割り当てられた容量が増やされる仕組みで、グーグルがこの運用を続けていけば、利用者は事実上、無制限にメールを保存できることになる。
素早く目的のメールを見つけられる検索サービスや、迷惑メールの防止、コンピューターウイルスの侵入を防ぐ機能なども備えているという。
動画も送受信グーグルだけでなく、ネット各社は無料メールサービスの利用者の拡大を目指して、容量拡大を競っている。容量が大きいほど人気が高い傾向があり、利用者が増えれば、広告収入の増加にもつながると期待できるからだ。
ネット検索最大手ヤフーのメールサービス「ヤフー!メール」は今年6月、無料メールサービスの保存容量を従来の100メガ・バイトから1ギガ・バイトへと10倍に増やした。メール1通当たりの最大情報量も従来の2倍の20メガ・バイトにして、デジタルカメラの画像や動画など、大容量のデータも送受信できるようにした。
マイクロソフトも6月以降、人気のメールサービス「Hotmail(ホットメール)」から、新サービス「Windows Live(ウィンドウズライブ)メール」への転換を進めている。新サービスの保存容量は、ホットメールの8倍にあたる2ギガ・バイト。メールの返信や転送、削除などの操作を簡略化して、使い勝手も向上させた。
仮想商店街最大手の楽天も、同社が運営するネット検索サービス「インフォシーク」で、楽天の会員向けに無料メールサービスを提供。ネット接続サービス大手のNECビッグローブでは、会員登録した人が無料メールを利用できる。
月額利用料を支払うと保存容量が増えるサービスもある。NTTレゾナントの場合、無料のgooメールは容量12メガ・バイトだが、月額290円のgooメールアドバンスは2ギガ・バイトと166倍の容量だ。
広告収入無料メールサービスの運営コストは通常、画面上に表示される広告の収入でまかなわれる。ヤフーやマイクロソフトのメールサービスでは、メール本文の前後に、広告が表示される。
グーグルのサービスでは、やりとりされるメールの内容や表題などをコンピューターが自動的に分析し、利用者の好みや関心に合わせた広告を、メール本文の右側に表示する仕組みを採用している。
メールの利用者や、画面の広告をクリックして、広告を出した企業のサイトに接続する人が増えれば、運営しているネット各社に入る広告料収入も増えることになる。