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2006年09月22日(金) 18時20分

インタビュー: 3─5年で市場評価に合った業績に=ミクシィ社長ロイター

 [東京 22日 ロイター] ミクシィ<2121.T>の笠原健治社長は22日、ロイターとのインタビューで、3─5年後の業績を現在の株価(インタビュー時290万円前後)に合致したものに引き上げたいとの意向を明らかにした。また、14日の東証マザーズ上場で調達した約64億円のうち、預金に充てるとしていた約50億円について、一時的な対応にすぎないと述べ、本業に振り向ける考えを示した。
 笠原社長は株価が売り出し価格の約2倍に当たる290万円前後で推移していることについて「中長期的に業績を上げていき、市場の評価に合ったものにしたい。中長期的というのは3─5年後ぐらい」と語った。ミクシィのPER(株価収益率)は200倍を超えており、市場平均の20倍前後にするには、2006年3月期の純利益5億7600万円を10倍に引き上げる必要がある。
 笠原社長はそのための施策として「今後1─3年は広告収益の拡大に注力したい。それと同時並行で新しいサービス、新しい収益モデルとなるものに種をまき、3─5年後に収益化したい」と語った。新しいサービスの中身については、会員間での電子商取引や、音楽などデジタルコンテンツの販売などを挙げた。
 ミクシィは新規上場の際に調達した約64億円のうち、約13億円を設備投資などに充て、約50億円は預金に回すとしていた。笠原社長は「預金というのはあくまで一時的に置いておくだけというイメージ。人材の強化もやらなくてはならないし、設備投資もプラスアルファが発生する可能性がある」と述べた。そのうえで「少なくとも財テクに(使う)という話はありえない」語り、新サービスの創出など本業に調達資金を振り向けることを強調した。
 このほか笠原社長は株式について「いずれ個人投資家が買いやすい値段帯で流通させていく必要がある」と語り、長期的には株式分割を行う可能性を示した。
 ミクシィは、既存会員からの招待を受けて会員登録し、インターネット上で交流の場を持つソーシャル・ネットワーキング(SNS)運営会社の最大手。9月14日時点の会員数は約570万人で、シェアは86%に達する。
 インタビューの主な内容は以下のとおり。
 ──上場によって変化したことはあるか。
 「上場前よりも会員数の増加ペースが上がっており、(上場から)1週間たっても減速する気配はない。これを一時的なものではなく、定常的なものにしていきたい。増加のペースについては公表していない」
 ──株価が売り出し価格の2倍の290万円前後で推移している。
 「短期的な変動などは上場まもない会社なので、ある程度はやむをない。一喜一憂することなく、中長期的に業績を上げていき、今の市場の評価に合ったものにしていきたい。中長期的というのは3─5年後ぐらいのイメージ」
 ──そのための戦略は。
 「今後1─3年は広告収益を拡大することに注力する。全体の会員数と一人あたりのページビュー(ホームページの閲覧数)を増やして、広告の価値を高めていく。それと同時並行で新しいサービス、新しい収益モデルとなるものに種をまき、3─5年後に収益化していければと思っている」
 ──広告以外の収益源の創出は。
 「SNSと親和性の高いイーコマース(電子商取引)やデジタルコンテンツの販売などを考えている。同じ物を買うのであれば、知らない人からよりは、知人から買ったほうが安心できる。SNSには信頼性や親近感を生み出しやすい土壌があるので、そこを活用できればうまくいく可能性がある。オークションになるのかフリーマーケットになるのか、それとも別のものになるのか、まだ分からない」
 ──上場で調達した64億円のうち、約50億円は預金に回すとして使途が決まっていない。株主に明確に説明する必要がある。
 「64億円のうち、10億円を設備投資に、3億円を事務所の拡充などに充てる。預金というのはあくまで一時的に置いておくだけというイメージ。人材の強化もやらなくてはならないし、設備投資については今後3年で10億円と決めてはいるが、プラスアルファで(追加が)発生する可能性がある。たとえば回線の帯域を大幅に取るサービスや、たくさんのハードウェアを用意するサービスを追加していく場合は、10億円という枠を超えて投資していく可能性はある」
 ──ネットバブルのころは、調達した資金を財テクなどの投資に回して失敗した新興企業があった。
 「少なくとも財テクに(使う)というのはありえない」
 ──他社との提携に対する考え方は。
 「開始したいと思っているサービス・機能がいくつかあるので、すでにそれを手がけている会社と連携していくことはありうる。新しいサービスの内容はまだ言えない。なるべく早いタイミングでと考えているが、相手がある話なので、当社だけの事情ではなかなか進められない。うまくまとめていきたい」
 ──いずれはM&Aもありうるのか。
 「そういう形もありうる」
 ──配当や株式分割について。
 「直近では配当は考えていないが、毎年の業績を見ながら将来的に検討していきたい。株式分割については具体的には考えていないが、いずれ個人投資家が買いやすい値段帯で流通させていく必要があると思っている」
 ──海外展開は考えているのか。
 「中国や韓国、アメリカなどには、いずれ(行きたいと考えている)。SNSとは別のサービスになるかもしれないが、何かしらネットのサービスを手かげて世界的なものを作っていくというのは、もともとやりたかったし、エキサイティングだと思っている」
(ロイター) - 9月22日18時20分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060922-00000439-reu-bus_all