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2006年09月19日(火) 09時18分

吉野家が牛丼再開 信頼回復には時間フジサンケイ ビジネスアイ

 吉野家ディー・アンド・シーは18日、米国産牛肉を使った牛丼の販売を全店(約1000店)で再開した。昨年2月の1日限定販売を除くと、2年半ぶりの復活で、「牛丼復活祭」と銘打った今回は1日限り、100万食を売り切れるまで販売した。

 今後は、10、11月に月初の1日から5日までの5日間に、全国で100万食を提供する。12月には時間限定で毎日提供するなど、全面再開に段階的に取り組んでいく考えだ。

 18日、東京都千代田区の有楽町店を訪れた吉野家の安部修仁社長は「米国産にこだわり続けているのは現時点ではベストウエー。良かったか悪かったかは歴史が決めること」と語った。

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 ■米国産牛肉信頼回復には時間

 吉野家は米国産牛肉を使用した牛丼販売を再開したが、外食・流通業界では米国産牛肉をめぐっては対応が分かれている。

 牛丼チェーン「すき家」を展開しているゼンショーは、「日本の消費者に安心して食べてくださいといえる段階ではない」と強調。「牛めし」を販売している松屋フーズも静観の構えを崩していない。

 吉野家は、牛丼販売再開を前に報道陣に主力の牛肉加工工場である東京ミートセンター(埼玉県大利根町)を公開するなど安全性を懸命にPR。同センターは吉野家が扱う米国産牛肉の6〜7割を加工しており、解凍後に余分な脂肪などを切り取った上で牛丼用にスライスする。この作業中にも異常がないかをチェックしているという。

 安部修仁社長は「牛肉に関して外食産業のなかで当社ほど研究している会社はないと自負している。消費者すべての不安解消は難しいが、吉野家の顧客には安全であることを徹底して説明したい」と話している。

 「焼肉でん」を展開するゼンショクが米国産牛肉メニューをすでに再開し、ファミリーレストラン最大手のすかいらーくの横川竟会長も「来年以降は米国産牛肉を使用する」と明言するなど、外食産業の一部では米国産牛肉を“解禁”する動きを見せている。

 一方、スーパー大手のイオン、イトーヨーカ堂などは、「米国産に対する消費者の信頼は回復していない」という共通認識で、米国産牛肉の取り扱いには慎重だ。

 しかし、中小スーパー約220社(3000店)が加盟する共同仕入れ機構のCGCジャパンは、9月2日から順次、加盟スーパーのナルックス(石川県)、トップ(東京都)など5社に米国産牛肉の供給を開始した。

 供給量は5社合計で1・2トン。CGCジャパンは、店頭まで出向いて顧客の反応を確かめたが、「各店舗とも低価格なお試し価格を設定したことや、試食販売をしたこともあって売れ行きは好調だった」(CGCジャパン)と話す。

 5社中4社は当日完売。残り1社も4日間で完売した。5社とも米国産牛肉の販売を継続する意向だが、「品薄で需給は非常にタイト。先週末までに3社に合計500キロを供給できた程度」(CGCジャパン)としている。

 米国産牛肉の輸入再開が決った段階で、CGCジャパンは、加盟各社に取り扱うかどうかの意向を調査した。その時点では取り扱いたいというスーパーは1社もなかった。8月上旬から米国系の会員制スーパー、コストコホールセールが取り扱いを開始したことで、取り扱う加盟社がでてきたという。

 吉野家の牛丼復活で、今後、米国産牛肉を扱う外食・スーパーも増える可能性もあるが、消費者の信頼回復には時間がかかりそうだ。(財川典男)
(フジサンケイ ビジネスアイ) - 9月19日9時18分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060919-00000000-fsi-bus_all