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2006年09月18日(月) 00時00分

家庭情報化 屋内電線が二役果たす 東京新聞

 家庭内の電線をインターネットなどの情報伝達経路に活用する電力線通信が解禁の見通しだ。短波放送の混信など懸念もあるが、メーカーの改善努力を見守りたい。

 電波監理審議会(総務相の諮問機関)は、家庭内の電灯線に情報ネットワークの役割を担わせる電力線通信の解禁容認の答申をまとめた。総務省は年内にも必要な省令改正を行い、利用が可能になる。

 検討は中断をはさみ、六年の長期にわたり、反対論も答申直前まで収まらなかった。

 反対は、電力線通信から漏れ出る電波がアマチュア無線や短波放送、電波天文台などに混信を及ぼす恐れがあるためだ。

 屋外の電柱に引かれた電線の利用は、混信がひどすぎるため検討の過程で撤回され、屋内の壁などに張られた電灯線だけが許されることになった。

 だが、利用を屋内に限定しても反対派の懸念をぬぐい去ることはできず、解禁後に問題が出れば、技術基準を見直すことで、ようやく決着が図られた。

 電波漏えいを抑え、かつ十分な性能を持つ機器を開発するためのハードルは高そうだ。メーカーは全力を尽くして混信のない機器を商品化する必要がある。

 電力線通信は、当初、電話線や光ファイバーと並び広域情報網になると期待されていた。それが屋内限定という制限を課せられたことで商品化の魅力は半減したといってよい。

 その上、検討期間が長引く間に技術的にライバルにあたる家庭内無線LAN(構内情報通信網)の普及が先行し、商品としては後発の不利を抱えることにもなった。

 無線LANの機器は量産化で価格低下が進んでいるのに対し、これから商品化する電力線通信は当初、割高とならざるを得ず、価格的に苦しい競争を強いられそうだ。

 ただ、電力線通信は、デジタルテレビやパソコンなどの情報機器をコンセントにつなぐだけで、情報回路に接続できる簡便さが魅力といえよう。

 メーカーとしては、テレビなどの情報機器と電力線通信のアダプター(接続装置)を一体化させるなど便利さに一層、磨きを掛ける努力が必要だ。

 無線LANの基本技術は米国に抑えられているのに対し、電力線通信の本格的技術開発はこれからだ。日本が得意とする家電技術がベースだけに、今後、日本が世界をリードできる可能性も十分にある。関係者の努力に期待したい。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20060918/col_____sha_____003.shtml