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2006年09月18日(月) 17時12分

“大作”で勝つ──ドコモが狙うケータイゲーム市場+D Mobile

「メガiアプリは、ケータイゲームでここまでできるようになったのか、と驚いてもらえるほどになっている」NTTドコモ コンテンツ&カスタマ部 コンテンツ担当部長の山口善輝氏 写真:ITmedia    これが本当にケータイゲームなのか──そう驚いてもらえるだろう。

 NTTドコモは9月15日、903iシリーズの発表に先駆けて同シリーズのiアプリ仕様を公開。登壇したNTTドコモ コンテンツ&カスタマ部 コンテンツ担当部長の山口善輝氏はこう声高に宣言した。

 903iシリーズに搭載するiアプリ「メガiアプリ」は、従来機種の、本体プログラム領域100Kバイト/本体データ保存領域400Kバイト(一部機種のみ外部メモリにもデータ保存が可能)の制限から大きく拡張されたのが大きな特徴となる。プログラム領域と本体データ保存領域の容量を問わず、双方合計で最大1Mバイト使用可能に。さらに(miniSDなど)外部メモリへのデータ保存に全機種で対応し、事実上、データ保存領域も無限大に拡張できるようになった。

 ドコモ90xシリーズは2006年8月末現在で累計2592万台、70xシリーズは同じく857万台を販売しており、その数は家庭用主要ゲーム機に匹敵、ニンテンドーDSなど単一端末としてのみで比較するとそれ以上となっている。iモードゲーム市場もゲームコンテンツ売上高で約31億円/ユニークユーザー数で約1175万人だった2005年6月期に対し、2006年6月時点で約36億円/1300万人に達し、市場規模も着実に拡大した。

 今回、バージョンアップを行う背景には、2500万台を超えた累計の端末販売台数や定額料金制度(パケ・ホーダイ)の普及、端末のCPU速度/ポリゴンエンジン速度/液晶の高精細さ/外部連携など(外部メモリへの保存)機能が向上してきた現状もあった。

 ドコモ山口氏は、「技術先行でいきなりハイスペック化するのではなく、端末の普及速度とコンテンツが充実してくる速度などを見極めながら、ステップバイステップでプラットフォームをバージョンアップしてきた。ケータイをゲーム端末とするなら、主要ゲーム機に匹敵する台数を出荷し、CPU速度なども向上した。今回、まさに“機が熟した”といえるだろう」と述べる。903iシリーズはアプリ容量の拡大だけでなく、900iシリーズとの2D描画性能比較で平均約5倍、901iシリーズとの3D描画性能比で平均約3倍の速度向上が見込まれる。

●容量拡大を生かしたグラフィックスはもちろん、COMが“強く”もなる

 今回903iシリーズ用としてメガゲームを投入するコンテンツプロバイダも、カプコン、コナミデジタルエンタテインメント、スクウェア・エニックス、バンダイナムコゲームス、バンダイネットワークス、ドワンゴ、元気モバイル、セガ、ハドソンなどのゲームメーカー大手が参加し、「ストリートファイターZERO」「DIRGE of CERBERUS LOST EPISODE -FINAL FANTASY VII-」「鉄拳2」「機動戦士ガンダムSEED 鳴動の宇宙」「バイオハザード エピソード」「首都高バトル EVOLUTION 2」「モバイル・パワフルプロ野球MEGA」など、メガゲームの仕様に沿った魅力的なタイトルを投入する。

 例えばバンダイネットワークスの「機動戦士ガンダムSEED 鳴動の宇宙」は、1Mバイトの本体プログラム領域をフルに使い、外部データ保存領域に9Mバイトを要するタイトルだ。同社の90xi用ガンダムタイトルはプログラム領域100Kバイト+データ保存領域400Kバイトであったため、旧シリーズ比で約20倍の容量を活用したアプリとなった。

 「今までも“鉄拳2”をiアプリで動かしたかったがデータ容量と処理速度の問題から困難であり、中途半端なものはやめようと断念した経緯があった。しかし903iシリーズで実現できるようになった」とバンダイナムコゲームスは同社が大切にするタイトルの投入に踏み切れたと述べ、「液晶の解像度こそはQVGAで変わらないが、今までは容量が少なかったために縮小画面を拡大して表示させていたタイトルもあった。しかし903iではそのままの解像度で表示できる。メモリ容量の拡大により映像・音声をふんだんに盛り込めるようになった」(カプコン)、「従来はCPU処理速度なども足りなかったため、スポーツ対戦ゲームのCOM(コンピュータ対戦)の思考ルーチンも少なかった。しかし903i版は“強く”なる。」(コナミデジタルエンタテインメント)など、ゲームの内容も含め、今まで以上に期待できる意欲作に仕上がるようだ。

●家庭用ゲームに匹敵する“ケータイゲーム”が番号ポータビリティの鍵

 ケータイゲームは待ち合わせ時などの暇つぶし用として、比較的“軽め”のタイトルが利用されていると思われていた。しかしカプコン オンライン事業統括MC開発部長 手塚武氏によると「寝る前にベッドでじっくり楽しむ」ユーザーの割り合いが6割以上にも上る結果が出ており、ケータイでゲームを“じっくり”行う層──つまりメインゲーム機の1つとして利用するユーザーが確実に増加している」という。

 このことは「今後のケータイゲームは“大作”と“カジュアル”に2極化していく」(コナミデジタルエンタテインメント オンラインカンパニーモバイル制作グループ 統括マネージャー 福武茂氏)ことも示唆している。コンテンツプロバイダにとってこの“大作”の実現には、903iのメガiアプリの仕様がもはや“必須”となる。

 ケータイゲーム市場の拡大は、同社にとって契約者増あるいは引き留めの目的のほか、アプリ購入金額の数%を得る収入の増加に加え、ダウンロード容量も多くなることによりARPUの増加も見込める。ケータイゲームで家庭用ゲームの市場を奪おうというわけではなく、「競争相手はゲーム業界ではなくやはり携帯キャリア」(山口氏)ということになる。

 ドコモの902iSシリーズは、KDDIが先行した“音楽機能”をフィーチャーし、需要拡大を狙った。2006年10月頃の発表が予想される903iシリーズでは、これら魅力的なゲームタイトルを用意し、利用者も多く市場も大きい“ゲーム”を押し出すことを番号ポータビリティ対策の1つとして考えている。

http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/
(+D Mobile) - 9月18日17時12分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060918-00000022-zdn_m-sci