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2006年09月17日(日) 03時04分

関空の米航空2社、奨励金もらったのに1年で撤退読売新聞

 関西空港での新規路線開設からわずか1年で撤退する米航空2社に対し、地元自治体や経済団体などでつくる「関西国際空港全体構想促進協議会」が、路線開設への奨励金として計約3000万円を支給していたことがわかった。

 近く、さらに計2500万円を支給するという。奨励金には自治体の公金も投入されているが、協議会側に返還請求や支給拒否を認める規定はなく、協議会事務局の大阪府は「これほど短期間での撤退は想定外。『税金の無駄遣い』とのそしりを受けかねない」として奨励金制度の見直しを検討する。

 協議会は、来年8月の第2滑走路供用開始に向け、航空会社の誘致を後押しする目的で昨年4月、奨励金制度を創設した。

 国際線で新たな路線を開設した航空会社を対象に、発着回数などの運航実績に応じて2年間、基本奨励金(上限1年目6000万円、2年目3000万円)を支給。さらに、初乗り入れ会社への初就航奨励金(1000万円)、増便の際の就航PR協賛金(1500万〜500万円)などもあり、「世界一高い」と不評の着陸料を補てんする意味もあるという。昨年4月に運航を始めたカタール航空便が適用第1号で、これまで6社(7路線)に総額約7900万円を支給している。

 6社のうち、問題の米航空2社は、アメリカン航空とノースウエスト航空。

 協議会や関空会社などによると、アメリカン航空は、昨年11月のダラス便就航に伴い、初就航奨励金1000万円と、今年3月25日までの運航分の基本奨励金約900万円を受け取ったが、原油高による燃料費高騰で採算が悪化したことを主な理由に、来月28日の便を最後に撤退を決定した。

 昨年10月のサイパン便就航で基本奨励金約1100万円を受給したノースウエスト航空も、同じ日程で同便の運航を取りやめる。

 奨励金には就航期間の条件はついていないため、協議会は「返還を求めることはできない」とし、まだ両社に支給していない今年3月26日から来月28日までの運航分の基本奨励金計約2500万円についても支払いを拒否できない。両社からは現時点で、返還や、未払い分の受け取り辞退の申し出はないという。

 同協議会は1998年設立で、約300の自治体・団体が参加。今年度予算によると、大阪府など9府県と大阪市など4政令市が関空会社への出資割合に応じて分担金計5億5000万円を負担、関西経済連合会や大阪商工会議所に加盟する企業も計1億5000万円を支援している。

 府の担当者は「契約金ではなく祝い金的なものなので、支給に条件をつけるのは難しい。支給期間を長くしても、1回あたりの支給額が減り、魅力が薄れるだろう。何とか、『取られ損』と言われないような対策を練りたい」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20060917i101.htm