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■パーティー券 被害者ら返還求める
全国の投資家から集めた資金１００億円以上が回収不能となり、実質経営者が行方不明になっている資産運用会社「キングダムトラストニューヨーク」（東京都千代田区）が平成１４年、前国家公安委員長、村田吉隆衆院議員（自民）の政治資金パーティー券１００万円分を購入していたことが分かった。被害者らはキングダム社に資金の返還を求める民事訴訟を起こすことを検討しており、「村田議員は被害弁済のため資金を返すべきだ」としている。
村田議員の政治資金パーティーは１４年１０月、「村田吉隆君と語ろう会」との名称で、東京都千代田区のホテルで開かれた。約９５０人が出席し、収入は約２６００万円。キングダム社は１００万円分を購入していた。
被害者対策を進めている弁護士らによると、キングダム社は平成８年に設立され、１４年ごろから、「新規公開株の購入で利益が得られる」などと全国の投資家に持ちかけ、６００人以上から集めた資金のうち１００億円以上が回収不能になっている。
高級ホテルで芸能人を招いて派手なパーティーを開いたり、事務所に政治家の写真を飾るなどして顧客を信用させ、「米国で史上最高額を稼いだ相場師、ジョージ・ソロス氏に師事し、会社を立ち上げた」と説明していた。しかし、投資顧問業などの登録はしていなかったという。
被害者は主に主婦や高齢者らで、老後資金を運用しようと退職金をすべて預けた男性や、夫が死去して受け取った生命保険金を投資した女性、なかには１億円を預けた会社役員もいる。経営者らが通っていた東京・銀座の高級クラブのホステスらも被害に遭ったという。
弁護士らは「村田議員は公的な立場が強いため、適法な会社であることを確認すべきだったと思う。政治家としての影響力を考えると軽率だったのでは」と話している。
村田議員の事務所の話「パーティー券を買っていただいた方の一部に、問題を伴う人物が含まれていたことは残念かつ遺憾と思っている」
【2006/09/17 東京朝刊から】
(09/17 08:19)