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2006年09月16日(土) 03時08分

教祖の死刑確定で警戒、公安調査庁が一斉立ち入りへ読売新聞

 公安調査庁によると、オウム真理教の信者数は8月末現在、約1650人。出家信者が約650人、在家信者が約1000人で、一連の事件で逮捕された信者約450人のうち約3割が教団に戻っているという。

 同庁幹部は「松本智津夫被告の死刑確定で、死刑執行前に奪還を計画したり、後追い自殺を試みたりすることも起こり得る。あらゆる可能性を視野に、警戒する必要がある」と話す。

 教団内では昨年以降、新教団の設立を目指す上祐史浩代表(43)を支持する上祐派と、「松本帰依」を強める反上祐派の対立が激化し、分裂状態。同庁幹部は、反上祐派について「松本被告やその家族を神格化し、危険な教義を今も内包している」とし、上祐派についても「対外的に松本色を出さないことで団体規制法の適用を逃れようとしている」と分析している。

 教団の拠点施設は現在、17都道府県に30施設ある。上祐派5施設に対し、反上祐派は24施設。東京・世田谷区の教団本部では2棟のマンションに両派の出家信者が別々に生活している。同庁は16日、両派の計約25施設に対し、過去最大規模の約250人体制で一斉立ち入り検査を行う方針だ。

 教団の主な資金源は、在家信者の布施と出家信者のアルバイト代などで、年3回の説法会(集中セミナー)も大きな資金源だ。集中セミナーは、昨年末から両派が分かれて開催しているが、8月のセミナーでは計2900万円以上の布施を集めたという。

 だが、被害者や遺族への賠償は進んでいない。教団の債務総額は約51億円で、このうち被害者や遺族に賠償すべき分が約38億円に及ぶが、これまでに賠償したのは約15億円にとどまる。ここ数年は、年間数千万円しか支払われていない。

          ◇

 松本被告の死刑が確定した15日、両派はそれぞれ談話を発表。反上祐派が「被害に遭われた方々に心からおわびを申し上げる。今後も被害者賠償を継続し、少しでも遅れを取り戻すよう努力する」とし、上祐派は「人である教祖を神としたことが事件の原因となった点では、多くの信者に責任があることを深く反省している」とコメントした。

 15日夕、教団本部のうち上祐派の建物から出てきた男性信者(39)は、「死刑確定は一つの通過点。執行された時の方がショックだろう」と話した。一方、信者以外の住民でつくるマンション管理組合の小俣善紀理事長(66)は「信者はこれを機に退会し、教団は解散してほしい」と語った。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe4900/news/20060916i101.htm