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2006年09月16日(土) 01時44分

教祖の死刑確定、遺族・被害者「ずっと待ち続けた」読売新聞

 松本被告の死刑確定に、遺族や被害者らは15日、それぞれの胸中を語った。

 「主人がいなくなってから、死刑確定をずっと待ち続けてきた」——。地下鉄サリン事件で夫を亡くした「被害者の会」代表世話人の高橋シズエさん(59)は、東京・霞が関の司法記者クラブで会見し、こう語った。

 その上で、「1審で詳細に審理しており、もう十分。控訴審は、弁護団が引き延ばし戦術を展開し、イライラさせられるばかりだった」と述べた。

 会見には、同事件でサリン中毒になり、現在も寝たきり状態の浅川幸子さん(43)の兄、一雄さん(46)も同席。「死刑が確定しても私たちの生活は変わらない。被告は衣食住の面倒を国が見てくれるが、私たち家族に何かあったら妹はどうやって生きていけばいいのか」と被害者対策の遅れを訴えた。

 松本サリン事件の被害者、河野義行さん(56)は、長野県松本市の施設で意識不明のまま療養する妻澄子さん(58)に、「こんなふうにした首謀者の死刑が確定したよ」と伝えた。澄子さんは目を大きく開け、呼吸を荒らげたという。「刑事裁判としては終着駅でも、被害者としては通過点です」と、河野さんは語った。

 坂本堤弁護士の妻都子(さとこ)さん(当時29歳)の実家(茨城県ひたちなか市)では、父親の大山友之さん(75)が「出るべくして出た決定。ただ、このまま松本被告の口から真実が明らかにならなくなることにむなしさを感じる」と淡々とした口調で話した。

 最高検の横田尤孝(ともゆき)次長検事は、東京・霞が関の検察庁内で会見し、「訴訟手続きの中で、本件の真相解明に十分な立証をしたと考えている」などと述べた。

 一方、松本被告の弁護団は15日夜、抗議声明を発表。「決定の根拠は、医学的に誤っている医師の意見書、東京拘置所がねつ造した虚偽の報告書などで、結論が不当であることは明白。最高裁は、松本被告が弁護人と意思疎通できない精神状態にあることをあえて無視した」と批判している。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe4900/news/20060915it14.htm