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2006年09月16日(土) 10時19分

松本被告死刑確定 「父は戻らない」仮谷実さん毎日新聞

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松本被告の死刑判決確定で心境を語る仮谷清志さんの長男実さん=15日午後5時ごろ、成田国際空港内で佐藤仁志写す    「これで終わりになどならない」。事件の被害者や遺族は、松本被告の死刑判決確定を「一つの区切り」と受け止めながらも、法廷で事件の真相も謝罪も語らなかった松本死刑囚への怒りをにじませ、教団の完全解消を訴えた。
 拉致事件で父親の公証役場事務長、仮谷清志さん(当時68歳)を亡くした長男の仮谷実さん(46)は公判を傍聴してきた。「区切りが付いてホッとした。来年で13回忌だが、ついこの間のような気がする」と話す一方で、「死刑になっても父は戻らない。この悲しさや悔しさは一生消えない」と憤る。
 「死刑が確定したよ」。松本サリン事件の被害者、河野義行さん(56)は真っ先に、事件の影響で意識不明になった妻澄子さん(58)に報告した。ベッド上の澄子さんは目を見開き呼吸をあらげて反応したという。
 河野さんは「本人の口から真実が語られなかったことが残念だ。すべてが推測の域を出ることが出来ず、被害者は事件を引き続き背負っていかなければならない。大きな通過点を過ぎたが、被害者にとっての終着点ではない」と語った。また、松本死刑囚に対し「活動を続ける信者に『危険な教義を捨てろ』と伝えてほしい。それが死刑執行までに出来る唯一のことだ」と訴えた。
 地下鉄サリン事件当時、霞ケ関駅務区長で部下2人を失った野尻辰秀監査役室長(54)は「司法としてひとつの区切りがついただけ。このまま死刑になれば、教団の実態が何も分からないまま終わってしまう」と危機感を募らせる。今でも駅には教団関係の特別手配容疑者のポスターが張られている。
 「死刑判決は当然。友人の坂本堤弁護士を殺し、私を殺そうとした」。オウム真理教被害対策弁護団の滝本太郎弁護士は改めてそう語り、教団の完全な解散を訴えた。
 滝本弁護士は「死刑は法の定める通り6カ月と5日以内に執行し、私にも立ち合わせてほしい。しかし、心理操作で罪を犯した元弟子12人は決して死刑にしてはならない。米国や英国では同時多発テロ事件の被害者に厚い補償をしている。日本が本当にテロと戦うなら、直ちにテロ対策被害補償特別法を制定し、教団から補償を取り立てるべきだ」と要望した。
(毎日新聞) - 9月16日10時19分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060916-00000004-maip-soci