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2006年09月16日(土) 00時00分

【関連】真相語らぬまま 未解明の闇なお 麻原被告の死刑確定を受け、本部(後方ビル)前に集まった報道陣=15日午後6時、東京都世田谷区で 東京新聞

 教団をめぐっては、村井秀夫元幹部刺殺事件や警察庁長官狙撃事件など未解明の闇が残る。警視庁が特別手配した三人も逃亡を続けている。

 一九九五年三月、国松孝次警察庁長官(当時)が自宅マンションを出たところを狙撃され重傷を負った。教団への強制捜査から八日後だった。警視庁は、捜査のかく乱を狙った教団による組織的犯行とみて捜査。発生から十年近くたった〇四年七月、信者ら四人を逮捕したが、嫌疑不十分で不起訴処分とされた。

 狙撃事件の翌月、東京・南青山の教団東京総本部前で、村井元幹部が刺殺された。武装化の中心人物の“口封じ”とみられたが、実行犯に殺害を指示したとされた元暴力団組長の無罪が確定するなど、背後関係は闇に包まれたままだ。

 特別手配が続くのは、地下鉄サリン事件で運転役だった高橋克也(48)、サリン生成補助役の菊地直子(34)両容疑者と公証役場事務長逮捕監禁致死事件の平田信容疑者(41)の三人。これまでに三千件近い情報が寄せられたが、逮捕につながる情報はなく、提供件数も減少している。

■上祐代表『死刑は当然』

 オウム真理教を改称したアーレフの上祐史浩代表は十五日夜、東京都港区内のホテルで記者会見し「(死刑は)当然のこと。一つの節目として新しい道を歩む。今後は麻原家の血とは断絶したい」と強調し、来春にも新教団を設立する意向を明らかにした。

 上祐代表はダークスーツにネクタイ姿。記者会見は約三年半ぶりで、約一時間にわたり、身ぶりを交えて冗舌に語った。

 「麻原被告は弱いため、現実に向き合って(事件を)語ることができなかったのではないか。話すべきだったと思う。神ではなく人間だった」と淡々と分析。「麻原回帰」を唱える反上祐派の動きについては「死刑はすぐに執行されないので、ただちに大きな変化はないのではないか」と予測した。

 会見中、上祐代表は「悪い意味でも、良い意味でも(被告に)育てられた。終末思想にはまり込み、事件の証拠隠滅をしたことは反省しなければならない」と自己批判する場面も。

 しかし、教団の解散を求める声には「信者を野に放つようなもので、かえって危険」と反論。「支配ではなく奉仕、閉鎖ではなく開放された新教団をつくりたい。テロで大きな罪を負い、反省したわれわれだからつくれる宗教がある」と顔を紅潮させた。

 関係者によると、出家信者は約四百人で在家信者は約千人。上祐派にも反上祐派にも属さない中間派が大多数という。

 上祐代表は服役後、代表に就任し「脱・麻原」路線を打ち出したが、「グル(麻原被告)外しは許されない」と反発を受け、一時、表舞台から去った。二〇〇四年十二月に活動を再開後、「事件は麻原元代表の指示で行われ、明らかに誤り。死刑もやむを得ない」と訴えたが、反上祐派は反発。今年に入り、双方は信者向けセミナーを別々に開くなど、分裂の動きが表面化していた。

 上祐代表は、死刑が執行されても後追いしたり、奪還テロを起こさないよういさめる文書を、近く信者全員に配布する方針を明らかにした。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060916/mng_____sya_____010.shtml