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2006年09月16日(土) 00時00分

市史に不適切引用 下関市、再発行へ朝日新聞

  昨年12月に刊行された山口県下関市の「下関市史 原始—中世」編(下関市市史編修委員会、委員長・江島潔市長)に不適切な引用があるとして、市が同編を回収し、再発行することになった。4月に同県立大助教授の抗議を受けて調査した結果、不適切個所は17カ所あることが分かり、執筆した金沢市の金沢大助教授は15日、下関市役所で記者会見し、陳謝した。

  不適切な引用があったのは、同書の第2編「中世」のうちの27ページ17カ所。引用や参照であることの明記が不十分で、本人の考えなのか、他者の考えなのかが区別できないという。金沢大文学部の平瀬直樹助教授(日本史学)が担当した部分で、抗議した助教授を含め、6人の著作と1社の地図からの引用に対して不適切だった。

  市では抗議翌日の4月19日に発売休止を決定。著作権法で定められた適法引用とは言えない——などとして7月末に委員会として回収を決めた。平瀬助教授が全面的に見直し、専門分野の近い委員が原稿をチェックした上で年度内にも再発行する。回収や再発行にかかる経費約500万円は平瀬助教授が全額負担するという。

  平瀬助教授は「私の不注意。意図的なものではない。テクニックが足りなかった。6人、1社と市民に対し深くおわびしたい」と頭を下げた。

  金沢大では13日、文学部に調査委員会を設置。1カ月以内に報告を出したいとしている。

  平瀬助教授は京大大学院を卒業後、山口県文書館を経て96年から同大に勤務。専門は日本中世史で、大内氏と宗教とのかかわりについて研究している。

http://mytown.asahi.com/yamaguchi/news.php?k_id=36000000609160003