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2006年09月16日(土) 17時22分

名物焼き鳥店 「いせや」が取り壊し…老朽化で 吉祥寺毎日新聞

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取り壊される「いせや」の建物。木造の温かみが常連客を引きつけた=東京都武蔵野市御殿山で鈴木梢写す    昭和初期から約80年間、東京・吉祥寺の名物店となっている焼き鳥の老舗「いせや総本店」(東京都武蔵野市御殿山)の建物が老朽化のため取り壊されることになり、今月25日で現在の店舗を閉じる。敷地内に建設する14階建てビルに来秋、移転の予定。煙で黒くいぶされた木造2階建ての建物にはファンも多く、常連客が連日、カウンターに立ち「寂しいね。壊さないでよ」と別れを惜しんでいる。
 店はJR吉祥寺駅のほど近く。昨年4月に亡くなったフォーク歌手の高田渡さんは、コンサートがある日以外はほぼ毎日通った。三輪の自転車で立ち寄り、カウンターでウーロンハイを頼む。文化人のほか仕事帰りの会社員らでにぎわい、最近は赤ちょうちんや墨で書かれたメニューが掛かる昭和のたたずまいを楽しむ女性客も増えた。取り壊しを知り、外観を記念撮影する人の姿も。「長く愛された店を残したいが、老朽化では仕方がない」と三代目の清宮五郎社長(57)は話す。
 いせやは1928年、精肉店として創業。50年前に建て直したころから店の片隅で焼き鳥も売り始めた。当時は1本10円。89年の消費税導入で1本80円に値上げしたが、以後は価格は据え置き。焼き鳥をつまみに飲んでも1000円で収まる庶民感覚が親しまれた。
 建物は10月から取り壊され、新しいビルは1年後の来年10月ごろ完成予定。1、2階がいせやで、ほかに貸事務所や共同住宅が入る。約40年通い続ける男性(69)は「カウンターにはだれでも歓迎してくれる空気があり、客同士がすぐに打ち解けられる連帯感があった」と名残を惜しんでいる。【鈴木梢】
(毎日新聞) - 9月16日17時22分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060916-00000024-maip-soci