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2006年09月16日(土) 15時40分

「家族入浴は混浴、ダメ」 兵庫県の指導に公営浴場反発朝日新聞

 家族が一緒に入浴するのは「混浴」であり、認められない——。条例で6歳以上の男女混浴を禁じている兵庫県が、「家族風呂」のある公営の6浴場にこんな指導をした。ところが、近隣府県は「風紀が乱れるおそれはない」として家族風呂の設置を認めており、指導を受けた浴場は「理解に苦しむ」と反発。無視して営業を続ける方針を打ち出したところもある。「家族風呂」は○か×か。熱い論戦がしばらく続きそうだ。

露天風呂も付いた石造りの家族風呂。家族連れに人気だ=兵庫県三木市吉川町の「吉川温泉よかたん」で

 兵庫県小野市が5月中旬、公営の浴場に介護目的で設置している「貸し切り風呂」を、家族でも利用できるようにしたい、と県に相談したのが発端。県公衆浴場法基準条例は、介助目的や水着着用の場合をのぞき「6歳以上の男女を混浴させないこと」と定めており、同県生活衛生課は変更を認めなかった。小野市は「家族風呂はほかにもある」と反論した。

 このため、県がすべての公衆浴場を対象に調査したところ、三木、豊岡、宍粟の3市と新温泉町の、少なくとも六つの公営施設に家族風呂のあることがわかった。県は8月下旬、混浴を禁止し、「家族風呂」の名称を変えるよう、6施設に指導した。

 これに対し、家族風呂のある温泉施設「吉川温泉よかたん」を三セクで運営する三木市の薮本吉秀市長は、8月下旬の会見で「これまで何の指導もなかったのに、突然の使用禁止は理解に苦しむ。今後ともこれまでの営業方針を続けていきたい」と反発。他の施設も「許可申請の段階で家族風呂について明示しており、今更指摘されても…」と戸惑いを隠せない。

 大阪府も条例で浴室を男女別々にすることを定めている。ところが、公衆浴場経営許可基準を改正し、浴場側が入浴者と直接面接できることなどを条件に、今年7月20日から、同一家族が一緒に入浴する家族風呂などの設置を認めた。同府環境衛生課の担当者は「家族風呂のニーズは強まっており、設置許可で風紀が乱れるおそれもないと判断した。全国で十数県は家族風呂を認めているのではないか」と話す。

 滋賀県も条例で「8歳以上の男女を混浴させないこと」と定めているが、「知事が風紀上支障ないと認めるときは適用しないことができる」との項目を適用し、96年4月から家族風呂を認めた。

 兵庫県の条例にも「知事が公衆衛生上支障がないと認める場合」に、混浴制限などを緩和できるとの定めがある。しかし、県生活衛生課は家族風呂について「『家族』には、事実婚や夫婦別姓などさまざまなかたちがある。本当に家族なのかどうか確認が困難で、風紀を保てない」と判断。あくまで認めない構えだ。

http://www.asahi.com/life/update/0916/004.html