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フィリピン南部のミンダナオ島で昨年１２月、大阪府阪南市の無職沢田靖亮（やすあき）さん（当時２５）が多額の保険金をかけられ殺害された事件を捜査している大阪府警は１５日、当時沢田さんと同行していた同府泉南市新家の工員井田健次容疑者（４０）ら３人が交通事故を偽装して保険金をだまし取っていたとして、詐欺容疑で逮捕した。府警は、井田容疑者らが沢田さん殺害事件についても事情を知っているとみて調べる。
他に逮捕されたのは、同府泉佐野市内に住む工員上田智（３０）と自営業三浦勉（３９）の両容疑者。いずれも沢田さんとフィリピンで同宿していた。府内の２４歳〜５４歳の男女４人も詐欺容疑の共犯で逮捕された。
井田容疑者は「（保険金の）請求を水増ししたことはあるが、うその事故はない」と容疑を否認しているが、残る６人は容疑を認めているという。
国際捜査課の調べでは、井田容疑者らは昨年７月、同府岸和田市新港町の府道でわざと車同士の追突事故を起こし、損害保険会社から休業補償金など約２４０万円をだまし取ったほか、０３年９月にも泉佐野市の国道２６号で、追突事故を装い別の損害保険会社から約６６０万円を詐取した疑い。
井田容疑者ら３人は沢田さんと顔見知りで、昨年１２月７日から、ミンダナオ島南部のジェネラルサントスのホテルで沢田さんと同宿。このうち井田、三浦両容疑者は３日後の１０日朝にホテルをチェックアウトし、上田容疑者は沢田さんとともに同日午後１１時過ぎにホテルを出ていたという。
沢田さんの遺体は１１日未明、ジェネラルサントスから約６０キロ離れた道路脇で見つかった。井田容疑者ら３人は事件後、日本に帰国していた。
沢田さんには出国前、死亡時に計１億円が支払われる海外旅行傷害保険がかけられ、上田容疑者が受取人に指定されていた。事件後、保険金は支払われていないという。井田容疑者ら３人はいずれも消費者金融などに多額の借金があり、返済に追われていたという。