2006年09月14日(木) 19時43分

弁護士懲戒は適法　処分の違法性めぐり、最高裁が初判断（朝日新聞）

　第二東京弁護士会所属の弁護士に対する懲戒処分の適法性が争われた訴訟の上告審判決が１４日、最高裁であった。第一小法廷（横尾和子裁判長）は「処分は弁護士会の合理的な裁量にゆだねられている」との立場を取り、業務停止３カ月とした同会と、この処分を追認した日本弁護士連合会の裁決には「裁量権の逸脱はない」と判断。裁決を取り消した一審・東京高裁判決を破棄し、そのうえで弁護士側の請求を棄却した。

　弁護士会が出す懲戒処分がどのような場合に違法となるかについて、最高裁として初めての判断となった。第二小法廷は「全く事実の基礎を欠くか、裁量権を逸脱した場合に限り違法となる」との一般基準を示した。

　判決によると、この弁護士は米国法人の日本子会社の顧問として、同社が借りた建物の明け渡し交渉にかかわった。その際、解決金の一部として貸主側から３００万円を渡されたのに、「まだ受け取っていない」と事実に反する報告を同社にしたなどとして、９９年９月に第二東京弁護士会から業務停止３カ月の懲戒処分を受けた。東京高裁は「懲戒事由は見あたらない」との判断を示していた。

http://www.asahi.com/national/update/0914/TKY200609140292.html?ref=rss