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2006年09月14日(木) 00時00分

コメ産地偽装 「新潟産特選米」実は「くず米」産経新聞

 米卸売会社「日本ライス」(大阪府東大阪市)による産地・銘柄偽装事件で、同社が通常は主食用にならず品質の悪い「くず米」に取り扱っている自社米を少量混ぜて、「新潟産特選米」などと書かれた袋に詰め替えて大量に販売していたことが18日、関係者の話でわかった。同社の精米工場で勤務経験のある元従業員が、産経新聞の取材に「本当なら人間が食べないまずいコメを、社長の指示通りに作ってしまった」と証言。府警も偽装の具体的方法などについて解明を急いでいる。

 元従業員によると、偽装に使われたくず米は、粒が小さく選別機でふるい落とされたコメ。通常は菓子や酒などの加工品や、家畜、鳥の餌などに使われる。炊いても硬く、見た目も味も主食用には適さないとされる。

 元従業員らは、白米の状態で1トン入りの袋に詰められて精米工場に入荷したくず米を、パッカーと呼ばれる袋詰め機械にそのまま投入し、小売り用の袋に詰め替えて出荷していたという。

 使われた袋は数種類あり、新潟産特選米という袋には、日本農林規格(JAS)法に基づく表示部分に「新潟県産100%」などと記載されていた。元従業員はくず米について「関東で収穫、精米されたものと聞いていたが、産地や銘柄は全く分からなかった」と話している。

 詰め替えの工程では見栄えを良くするため、自社工場で精米した通常のコメも少量混ぜていたが、入荷時期によってくず米の品質が極端に落ちるため、販売先から「色つやが悪い」「味がおかしい」などと苦情がくることもあった。

 くず米の仕入れ値は1キロ当たり130〜170円。これを新潟産特選米として、1キロ当たり200円前後で卸していたとみられる。少なくとも数年間にわたって市場に流れていたとみられ、おもに京阪神で販売されたという。

 社長は毎朝、経理担当者が計算した前日分の利益をもとに、偽装に使うコメの産地・銘柄を工場に直接指示。利益が出ていないときには、偽装米の割合を増やしていたという。

 元従業員は「社長は『それ相応の値段やから、しゃあない』とクレームを聞き流していた。口癖のように『安いコメを混ぜて単価を落とせ』といわれた」と話す。

 府警が今年9月14日、不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑で日本ライスなどを家宅捜索した際、社長は任意の事情聴取で容疑を否認している。元従業員は「産地・銘柄を偽装したコメを社長に大量に作らされ、消費者のみなさまに謝りたい」と話している。

http://www.sankei.co.jp/news/061118/sha008.htm