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2006年09月13日(水) 00時00分

総務省、NTT規制を継続 次世代通信網の開放義務づけ朝日新聞

 次世代の通信市場の規制のあり方を検討してきた総務省の懇談会が13日、報告書をまとめた。NTTが開発中の光ファイバー回線とインターネット技術を使った新通信網「次世代ネットワーク(NGN)」が、2010年代初頭にも普及することをにらみ、NGNの競合企業への開放を義務づけることなどを盛り込んだ。海外では通信大手に対する規制を緩める動きもあるが、総務省はNTTの市場支配力は依然強いとして、従来の規制を大筋で続ける姿勢だ。

 NGNは、銅線と交換機を使った従来の通信網に代わり、光回線とルーターによるIP(インターネット・プロトコル)網を通じて音声や動画などを超高速で送受信する。NTTが、来年度後半には本格的な商用サービスを始める計画だ。

 NTT東日本、同西日本の両地域会社は「NGNは従来の電話線とは別だ。これまでと違うルールを考えるべきだ」と主張していた。しかし、懇談会は「NGNの大半は従来の設備を置き換えて作られ、NTTの市場支配力が高まる可能性もある」と指摘。KDDIやソフトバンクなどのライバル会社がNGNを借りる際、条件が不利にならないような競争ルールの整備が必要と結論づけ、接続料などの基準作りを急ぐことになった。

 通信網の性能がよくなると、固定電話と携帯電話のサービスの一本化がしやすくなる見通しだ。NTTも東西とドコモの連携方針を打ち出しているが、競合企業から「独占回帰ではないか」との批判が出ている。懇談会は、NTTグループ内の連携は認めるものの、通信設備の共用や共同の営業活動は問題だとした。

 大手通信企業の持つブロードバンド(高速大容量通信)回線への開放義務については、米国が05年から撤廃し、欧州連合(EU)は方針を決めていない。そのなかで総務省がNTTへの「規制継続」を打ち出した理由は、NTTの存在の大きさだ。米国ではケーブルテレビ(CATV)が普及し、電話会社とブロードバンドのサービスを競っているが、日本ではNTT東西の加入者回線ベースのシェアが94%を占め、本格的な設備競争とはほど遠い現状がある。

 竹中総務相の私的懇談会は、NTTグループ各社を資本分割して競争させる案を検討したが、不発に終わった。6月の政府・与党合意では、NTTの組織再編について「2010年の時点で検討する」とされ、当面は現状が維持される。

 NTTの最大の強みは全国津々浦々に張り巡らされた通信設備だが、無線ブロードバンドが実用化に近づくなど、将来はNTTの優位性が揺らぐ可能性もある。総務省は当面は規制を維持しつつ、技術の進展が市場にどう影響するのかを見極める考えだ。

http://www.asahi.com/digital/internet/TKY200609130367.html