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2006年09月12日(火) 11時13分

個人情報流出「インテック」 県と随契56件6億円読売新聞

昨年度システム関連の35%

 高岡市の患者情報など県内4市の管理する個人情報を流出させた情報処理会社「インテック」(富山市)について、県が昨年度、発注したシステムの構築、保守・点検など160件のうち35%にあたる56件が同社との随意契約だったことが11日、分かった。県は、「システムを構築した会社に保守・点検も発注しがち」と説明しているが、「業者との関係に緊張感を持つべき」との県議会での批判を受け、改善への取り組みを始める。

 8日に開かれた県議会経営企画常任委員会で、火爪弘子県議(共産)の質問に対し、県情報政策課は、昨年度、県警を除く、県本庁や県教委、県立中央病院などのシステム関連の発注は160件約37億円で、うち145件が随意契約だったと答えた。

 さらに、インテックへの業務委託は62件約6億8700万円で、うち56件が随意契約だったと明らかにした。火爪県議は、「県も市町村も、業者との関係にもっと緊張感を持つべき」と指摘した。

 同課の向井文雄課長は、システム関連の発注について、「新規構築の際は、道路工事などと同じく入札を行えるが、その後の保守・点検作業は、当のシステムに精通している、構築した業者に頼らざるを得ない」と説明している。

 同課は、「インテックの場合、県がシステム化を始めた20〜30年前からの古いつきあい」としており、県は多くのシステム構築を依頼してきた。昨年度の随意契約56件は、ほとんどが保守・管理業務という。

 しかし、今回の情報流出問題などを受け、県は9月、斎田道男副知事を情報化統括責任者とし、民間企業出身の山口昌孝・情報企画監を採用。庁内の情報技術(IT)関連の改革を迅速に進めると共に、随意契約の見直しもすることになった。

 向井課長は、「すべてのものを入札にすることは無理だが、簡単な保守・管理業務などを入札に切り替えられないかどうかを考えていき、透明性の向上に努めたい」と話していた。

■高岡市との契約総額の半分以上■

 高岡市でもインテックとの契約は、2006年度(8月7日現在)で計87件7億2300万円がすべて随意契約。市全体のシステム関連発注の契約額の50%を超えているといい、市は「内容を精査し、可能な限り、競争入札へ移行させたい」としている。

■高岡市が対策案 管理強化、競争入札移行など■

 個人情報のずさんな取り扱いから、ミスが相次いで発覚した高岡市は11日、学識経験者らでつくる市個人情報保護審議会を初めて開き、再発防止に向けて「市情報セキュリティ強化対策」素案を発表した。審議会での話し合いを元に、対策をまとめ、きょう12日開会の市議会へ提出する。

 素案では、〈1〉情報管理体制の強化〈2〉外部の委託業者への対応策〈3〉中・長期を含めた総合的対策——の3本柱を示した。また、これまで随意契約とされていた委託業務を見直し、可能なものから競争入札へ移行させる。また、内部的には作業上のチェックシートを作り、内部監査制度を導入するなどの内容となっている。

 会議の冒頭、荻原隆夫・総務部長が「個人情報の取り扱いなど業務処理のミスが相次ぎ、重ねておわびする。個人情報への意識をしっかり持って取り組まねばならない」と陳謝した。

 一方、出席した委員からは「過去に他の自治体で同じような流出が起こっているのに、なぜ、このような事案が起こってからしか、高岡市は対応できないのか?」「内部監査がしっかりしていないから次々と出てきた」などと厳しい意見が相次いだ。

 なお、7月に大量流出した患者データの削除について、市側は、削除要請に応じてくれるプロバイダーもいることを報告したうえで「かなり沈静化していると聞いている」とした。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/toyama/news001.htm