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2006年09月12日(火) 15時30分

遺産分配金着服の弁護士逮捕 京の主婦ら被害、容疑で府警京都新聞

任意同行を求められ、出頭する川合弁護士(午前9時15分、京都市伏見区・伏見署)    遺産相続をめぐる民事訴訟で、依頼人に渡すために訴訟相手の原告から預かった遺産分配金を着服したとして、京都府警捜査二課と伏見署は12日、業務上横領の疑いで大阪弁護士会所属の弁護士川合宏宣容疑者(61)=大阪府門真市柳田町=を逮捕した。
 調べでは、川合容疑者は、遺産相続のトラブルで親族から訴えられた京都市右京区の主婦(56)ら被告側の代理人を受任。和解して遺産分配が決まった後の2005年2月−8月にかけ、原告から預かり依頼人の被告に渡すべき遺産分配金の一部約2500万円を私的に流用した疑い。
 府警によると、川合容疑者はこのほか、原告から預かった遺産分配金の預金通帳を無断で解約し、全額約1200万円を自分の口座に移し替えた疑いもあるといい、追及する。調べに対し、川合容疑者は「借金の返済に使ったが、返すつもりだった」などと供述している、という。
 民事訴訟は04年1月に京都地裁に起こされたが、翌年1月に和解が成立。原告側から川合容疑者に遺産分配金が預けられた、という。
 川合容疑者は1977年に大阪弁護士会に登録。02年5月、同弁護士会から別の民事訴訟の和解金を流用したとして、業務停止3カ月の懲戒処分を受けた。
 さらに、同年11月にも交通事故の示談金として保険会社から受け取った金を事務所経費に流用したとして、業務停止1カ月の懲戒処分を受けている。
 ■後絶たぬ不祥事
 逮捕された川合容疑者は、これまでに2度、大阪弁護士会から懲戒処分を受けていた。司法制度改革の流れのなか、弁護士倫理や懲戒制度の見直しが進むが、職務上の立場を利用した横領事件や不祥事は後を絶たない。
 全国各地の弁護士会は弁護士法に基づき懲戒委員会を設置し、同法や日弁連の会則に反した場合などに独自に処分している。近年、懲戒処分件数は増加傾向にあり、1990年代前半は全国で年間20件強だったのが、同後半は30−40件台で推移、2000年以降は60件を超える年も目立ってきた。
 こうした状況に対し、日弁連は04年11月、旧来の「弁護士倫理」に替えて「弁護士職務基本規程」を制定し、依頼者からの預かり金については、自己資金と明確に区別して保管し、その状況を記録することを義務づけている。川合容疑者が所属する大阪弁護士会では、すでに99年に、預かり金の専用口座設置を求める会規を作り、不祥事防止対策に務めていた。
 しかし、府警の調べでは、川合容疑者は、その預かり金専用口座から流用していたという。また、預かり金を着服するケースに限っても、今年に入ってすでに東京や横浜の弁護士3人が逮捕されており、一連の対策も根本的な解決には結びついていない。
 さらに、川合容疑者や逮捕された3人は、以前に別の横領問題などで懲戒処分を受けていた。弁護士が絡む事件の被害拡大防止のため、各弁護士会は懲戒処分の概要と対象者名を発表しているものの、公表方法は日弁連が発行する雑誌への掲載などにとどまっている。
(京都新聞) - 9月12日15時30分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060912-00000023-kyt-l26