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2006年09月12日(火) 12時18分

豊中市市立図書館、高専生殺害の実名報道紙を閲覧制限朝日新聞

 大阪府豊中市の市立図書館が、山口県周南市の徳山工業高専5年、中谷歩さん(20)殺害事件で、殺人容疑で指名手配され遺体で見つかった同級生の男子学生(19)の実名を掲載した読売新聞を一時、利用者に閲覧させないようにしていたことがわかった。9日午後に館長らが会議を開き、10日以後は閲覧できるようにした。同様の措置は全国各地で相次いでいる。

 豊中市によると、九つの市立図書館で9日、男子学生の実名が掲載された8日付読売新聞朝刊と同夕刊を閲覧室などから撤去し、閲覧できないようにした。実名が1カ所だけ掲載された9日付朝刊は、実名部分にシールをはり、「読売新聞の8日朝刊、夕刊の一部の記事について、少年法の趣旨から、ただいま引きあげて、取り扱いについて検討している」と書かれた紙をはさむなどの対応をしたという。

 市立図書館の統括責任者を務める市立岡町図書館の谷垣笑子館長によると、9日朝、開館前に谷垣館長と別の図書館長が相談し、8日付読売新聞朝夕刊を撤去することなどを決定。全図書館9館にファクスなどで指示した。谷垣館長は「少年法の趣旨をふまえ、とりあえず撤去することにした」と話している。

 9日午後、主要な館長を集めた緊急会議を開催。「市民の知る権利などを尊重すべきだ」と、10日から制限を解除することを決めた。

 豊中市内の図書館では、7日に発売され、男子学生の実名と顔写真が掲載された週刊新潮の該当ページをホチキスでとめて閲覧できないようにしている。ただ、少年が死亡し、名前も周知の事実となっているので、今後も同様の措置を続けるかどうかは改めて検討したいという。

 豊中市教育委員会生涯学習推進室の田中逸郎室長は、今回の図書館の対応について、「少年事件の匿名・実名について新聞社で判断が割れたケースだったので、図書館でも判断に迷い、結果的に市民を混乱させてしまった責任を感じる」と謝罪。今後、同様のケースが生じた場合は、新聞各社の判断の見解を図書館内で掲載するなどした上で、すべて閲覧できるようにしたい、としている。

 また、豊中市以外では、奈良県香芝市民図書館や津市の三重県立図書館でも読売新聞の写真と実名部分に紙を張った。静岡市の静岡県立中央図書館では、週刊新潮のコピーを禁止するなどの措置を取っている。

http://www.asahi.com/national/update/0912/OSK200609120022.html